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放射線 放射性物質 Q&A 放射線被ばくによる消化器症状は

 放射線被ばくによって下痢や吐き気といった消化器症状が起こることがあると聞きましたが、本当でしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■一定線量以上で出現県民は発症しない

 広島や長崎の原爆被爆者のうち、爆心地から近距離にいたため、極めて高い線量の被爆をした人は、種々な急性放射線障害による症状が見られたことが知られています。代表的なものとしては、嘔吐(おうと)や下痢といった消化器症状に加えて、出血、口内炎、頭痛、脱毛、めまい、意識障害といったものです。このうち下痢と嘔吐は亡くなった人の半数以上に見られたとされており、急性放射線障害の典型的な症状です。
 また、急性放射線障害の患者は、嘔吐や下痢などの症状が被ばくからどのくらいの時間をおいて発症したかを観察することで、被ばくした放射線量を推定することができます。例えば、被ばくしてから2時間以上たってから嘔吐が見られた場合には、1000~2000ミリグレイ程度の被ばくをしたことが推定され、被ばくしてから10分以内に嘔吐が見られた場合には8000ミリグレイ以上の被ばくをしたことが推定されます。
 一方、下痢や嘔吐といった症状は、食あたりや感染症など種々の原因で起こり、放射線被ばくによって発症するのは上記のような極めて特殊な場合に限られます。
 3年前の東京電力福島第一原発事故直後から現在に至るまでの被ばく線量から考えても、県内の一般住民は下痢や嘔吐が生じるような高い線量の放射線を被ばくしていません。

※グレイ 放射線の吸収線量・ヨウ素131やセシウム137が出す放射線(ベータ線、ガンマ線)の場合、1グレイは1シーベルトとなる。

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