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来月地域別に担当班 東電福島復興本社 賠償、除染要望など対応

 東京電力は福島復興本社発足1年半となる7月からベテラン管理職220人を新たに同本社に配置し、賠償や除染など地域の要望に細かく対応できるよう避難市町村や地域別に担当班を新設する。また、復興調整部を新設し、班の業務を調整する社員を置く。ただ、どれだけ復興が加速するかは不透明だ。
 広瀬直己社長が13日、東京都内で会見し、明らかにした。担当班は、福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された12市町村それぞれと、「いわき市」「中通り・会津」「県北部・東北」の合わせて15の市町村・地域別につくり、同本社内の「補償相談室」「除染推進室」「復興推進室」の各部門に配置する。同じ市町村・地域を受け持つ担当者同士が連携して地元の要望に対応する。
 復興調整部は、都内の東電本社内にある復興調整室を今月26日付で格上げし、東電本社と福島復興本社があるJヴィレッジ(楢葉・広野町)に分けて置く。Jヴィレッジには15の担当班を統括するエリア責任者6人を配置する。東京の担当者は地元の要望に基づき作成した復興策を政府などに伝える。担当班制度と合わせ、避難者支援の質の向上を目指す。
 新たに配置されるベテラン管理職220人のうち、半数を超える117人は賠償担当部門に配置する。長年の職務経験を生かした丁寧な説明を通じ、これまで賠償交渉が成立しなかった事案の解消につなげる構想だ。
 被災者宅の清掃や草刈りなどの支援業務を担当する復興推進室は、避難指示の解除に伴い、今後需要が高まると予想されるため、約10人増やす。除染担当部門は、モニタリングや技術支援などの担当者を約40人増やし、遅れが目立つ国や市町村による除染作業を支える。
 ベテラン管理職の投入は、220人の配置に続き、平成28年度までにさらに280人を異動させる。東電は当初の予定通り、管理職を計500人配置する方針だ。
 広瀬社長は「被災者は古里に戻るなど新しい生活基盤を確立する大事な時期だ。要望をしっかり受け止め、一番必要とされる対策を取っていきたい」と述べ、住民の帰還などに向けて取り組みを強化する姿勢を示した。

■実効性に課題

 東電福島復興本社の組織体制の見直しは、住民の要望にどれだけ具体的に応えられるかが鍵となる。
 賠償の迅速化や復興支援の強化を目的に、平成25年1月に設置された同本社に対しては、県や各市町村、住民からは「社員の姿が見えない」などと不満が出ていた。佐藤雄平知事は、同本社設置から1年後の今年1月の会見で「期待ほどは復興や賠償は進んでいない」との認識を示した。
 今回の組織改編では東電本社に異動する社員もおり、福島復興本社全体での増員は実質約100人にとどまる。市町村や地域別に担当者を置き、「現場」を重視する姿勢は示したものの、各市町村からの指摘の通り、実効性への懸念は消えない。
 富岡町からいわき市に避難している40代の会社経営者は「『絵に描いた餅』に終わらせず、住民の立場に立った賠償や支援活動を進めてほしい」としている。

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