東日本大震災

  • Check

日本画奥山さん震災後、初個展 南相馬、避難先の上越の風景

自身の作風の変化を語る奥山さん

 福島県南相馬市原町区の日本画家奥山畔州(ばんしゅう、本名・保正)さん(71)が平成26年6月12日、市内鹿島区の画廊で東日本大震災後初の個展を開いた。震災で新潟県上越市に避難した際に描きためたスケッチを素材に、日本海や妙高の山々などを描いた日本画や墨画には震災と避難の心象を反映してか、重い色調も残る。同じ避難体験がある市民らが、どんな思いで見るのか感想を聞きたいと思っている。
 奥山さんは飯塚栖圃さん、中野蒼穹さんらに師事。県美術家連盟、県日本画協会などの会員で日本画院展、県展などで数多くの入賞歴がある。
 震災後、新潟県上越市に避難し、10月まで約半年過ごした。手持ち無沙汰な日々の中、画材のないまま、コピー用紙とボールペンを手に重く空が垂れる日本海、各所に残る潟、雪をたたえた妙高の山などを毎日のようにスケッチして歩いた。
 自宅に帰ってからは、記憶に残る上越の景色の印象を筆に乗せた。「夜明け 潟沼」「直江津の海」「妙高を望む」「山鳴り」などの風景画、農作業の合間の食事風景を描いた「コビル」などを次々に描き上げた。
 一般の公開は考えていなかったが、地元の愛好家でつくる日陽会の仲間の勧めで個展を開くことになった。展示するのは色紙も含め約40点。震災前に描いた松川浦の風景も並べたが、それと比べると震災後の色調は暗い。
 「どこかに描きたくないという気持ちもあって画号を消してしまった作品もある。作風が変わった自覚がある」と奥山さんは言う。

■25日まで開催
 会場は鹿島区鹿島字千倉の6号国道沿いにある「喫茶830」の敷地内にオープンしたばかりの「ハウスガーデンギャラリー」。月曜日を除く25日まで開いている。時間は午前10時から午後3時。入場無料。

東日本大震災の最新記事

>> 一覧