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JA直売所の売上高回復 県内、過去最高70億円

 福島の野菜と果物が一番おいしい-。県内JAが経営する農産物直売所の平成25年度の売上総額は約70億円で、これまで最も多かった22年度を約4億3千万円上回り過去最高となった。東京電力福島第一原発事故を受け、各JAは原則、全商品を対象に放射性物質検査を実施してきた。食の安全確保に向けた関係者の地道な取り組みが消費者の信頼を得て、原発事故の風評を吹き飛ばした。
 伊達市雪車町にあるJA伊達みらいの農産物直売所「みらい百彩館 んめ~べ」では17日、来店客が旬のサクランボをはじめ、キュウリやトマトなどの夏野菜を次々と買い求めていた。日頃から直売所を利用している国見町の主婦佐藤はつ子さん(58)は「安全なものだけ並んでいるので安心して買える」と笑顔を見せた。
 地元産野菜、果物を販売するJAと全農県本部の農産物直売所の売上総額は【グラフ】の通り。22年度は65億1800万円(53店舗)で、集計を始めた18年度以降、最も多かった。しかし、原発事故発生後の23年度は風評被害が響き53億1200万円(51店舗)に減少。24年度は57億9400万円(52店舗)、25年度は69億4500万円(50店舗)と持ち直した。
 各直売所でつくるJA福島ファーマーズマーケット連絡協議会は、放射性物質検査で安全性を確認した商品だけを販売し、風評払拭(ふっしょく)のPR活動に力を入れてきたため売り上げが伸びたと分析している。
 特産のモモなどの安全をアピールするイベントを開催してきた「んめ~べ」業務係長の菊池洋介さん(35)は「サクランボ祭りや夏野菜祭りなどを企画し、今後も地元農産物を消費者に売り込んでいきたい」と話す。
 ただ、22年度の売上高を上回ったのは50店舗のうち10店舗にとどまる。協議会や各直売所は26年度、県内産の野菜、果物、農産物加工品の売り上げ拡大に向け試食などのイベントに力を入れる。
 JAすかがわ岩瀬の農産物直売所「はたけんぼ」の売上高は原発事故前の約8割まで回復した。店長の深谷隆さん(35)は「料理講習会や試食販売、季節の果物のPRなどを通じて売り上げを伸ばしたい」と意気込む。

カテゴリー:福島第一原発事故

旬のサクランボを買い求める消費者=17日、「みらい百彩館 んめ~べ」

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