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地域住民の憩いの場に 新クラブハウス16日に開館 「子ども戻った時 本当のオープン」

「福幸の樹」と共に再起を誓う福躍さん

■鹿島カントリー俱楽部支配人 福躍好勝さん(50)
 南相馬市鹿島区のゴルフ場「鹿島カントリー俱楽部」は16日、新クラブハウスをオープンする。東京電力福島第一原発事故などの影響で、利用者数は事故前に比べて半減したが、支配人の福躍(ふくおどり)好勝さん(50)=相馬市=は「復興に向けて前向きな姿を見せたい」と語る。クラブハウス前には樹齢900年以上の「福幸の樹」を植え、今後はゴルファーだけでなく地域住民も集える場となる緑地を整備する。

 新クラブハウスは、東日本大震災で打撃を受けたために取り壊した従来の施設に代わって建設した。ロッカールーム、シャワー設備、パーティー会場などを備える。パーティー会場の外には眺望を楽しめるデッキを設けた。震災前は54人いた従業員が避難などに伴い20人に減ったため、少人数でも業務をこなせる効率性を追求した造りにした。
 新クラブハウスの前に植樹された「福幸の樹」は、同ゴルフ場の名誉理事を務める相馬家三十三代当主・相馬和胤(かずたね)氏が命名した。北海道産のイチイで樹齢は900~1000年。再興のシンボルとして威厳のある姿をたたえる。福幸の樹を中心に、練習用グリーンと緑地を来年中に整備する。福躍さんは「地域の住民が憩いの場として自由に来られるゴルフ場にしたい」と思いを語る。
 同ゴルフ場は「プレーがしたい」というメンバーらの声に応え、震災から3カ月後の平成23年6月、仮オープンした。震災から3年4カ月を経て新クラブハウスの完成にこぎ着けたが、福躍さんは「復興が成った」とは思っていない。同ゴルフ場は震災前、小学生から高校生のプレー費を無料にするなどジュニア世代の育成に力を注いできたが、現在はジュニアのプレーを断っている。コース上の空間放射線量は平均毎時0・6マイクロシーベルトほどだが、子どもたちには「除染が行われてからプレーしてもらいたい」と考えている。
 環境省などに除染を求めているが、実現するかは不透明な状況だ。福躍さんは今後も要望を続けていく姿勢を強調し、「子どもたちがゴルフ場に戻ってきた時が本当のグランドオープン」と将来を見据えた。

カテゴリー:連載・再起

16日にオープンする新クラブハウス

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