東日本大震災

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復興願い社殿を寄贈 兵庫の神道青年会 津波で流失のいわきの神社に

旭神社から贈られた社殿の前で復興への誓いを新たにする(左から)高木宮司、大越智会長、窪田支社長

 東日本大震災の津波で流失した、いわき市久之浜町の星廼宮(ほしのみや)神社に18日、被災地復興の願いを込めた社殿が兵庫県神道青年会から贈られた。青年会がアサヒビールから同県西宮市の旧西宮工場内にあった「旭神社」の社殿を譲り受け、4日間かけて陸送した。旭神社は戦時下の空襲で焼け残り、阪神大震災の災禍も乗り越えてきた。互いに未曽有の災害を経験した被災地の思いを社殿がつなぐ。
 旭神社は企業内神社として昭和3(1928)年に建立された。西宮工場が平成24年8月に閉鎖されることを知った青年会が「社殿を東北の復興に役立てたい」とアサヒビール側に呼び掛け、同社が譲渡を快諾した。本県の神道青年会の橋渡しで星廼宮神社が贈り先に選ばれた。
 星廼宮神社は久之浜町の沿岸部にあり、郷土の安全や漁業の街の繁栄を見守る鎮守として、長く地域の信仰を集めてきた。一帯は防災緑地の整備や土地区画整理などの復旧事業が進められている。社殿は地区内の私有地に一時保管し、復旧事業の完了を待って2年後に再建する計画だ。
 18日は朝から、大型車両で運ばれた社殿の積み降ろし作業が行われた。兵庫県神道青年会の大越智(おおごち)和彦会長(40)は「阪神大震災の際には、福島の人たちから多くの支援をもらった」と感謝し、「避難している人たちが地元に戻る心のよりどころになってほしい」と語った。
 立ち会ったアサヒビール福島支社の窪田仁彦支社長(56)は「今後も被災地が前に進む手伝いをしていきたい」と述べた。
 星廼宮神社を管理する久之浜町・諏訪神社の高木美郎(はるお)宮司(58)は震災後、「ここに故郷あり」と記した旗を神社に掲げ続けてきた。社殿を見詰め、「古里復興の大きな推進力になれば」と願っていた。

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