東日本大震災

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浪江の変遷一冊に ウエダ建設が社史出版

震災後、草に埋もれた浪江町牛渡のJR常磐線の線路=「寿辞」より抜粋

 浪江町のウエダ建設は、写真集形式の社史「寿辞(よごと) 大工・植田家と浪江町の歩み」を新宿書房から出版した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により、現在は南相馬市原町区に仮本社を置く。社史は地域の近代化の歴史や被災状況の紹介に多くのページを割き、地域の貴重な記録でもある。植田昭好社長(59)は「浜通り各所と植田家が関わった建造物の被災状況を記録することは私どもの使命」としている。
 掲載したのは、写真家長谷川健郎さん=東京=が震災後に撮影した相双地域の写真と、明治15年の創業から5代にわたり社長を務める植田家が保管してきた写真の合わせて約140枚。
 被災後の浪江町については、津波に襲われた請戸漁港や草に埋もれゆくJR常磐線の線路、2代目社長の植田末松氏が設計施工した初発神社などを紹介し、古里の現状を切実に伝えている。津波に流された南相馬市小高区の消防団の車両、帰還困難区域になった飯舘村長泥の地蔵、立ち入りが規制されている富岡町夜の森の桜並木など、浪江町外の様子も数多く掲載した。
 社史の題にした「寿辞」は上棟式で大工の棟りょうが読み上げる祝詞を指す。同社が請け負った庫裏の建築工事の上棟式を撮影したとみられる大正14年撮影の写真なども載せており、地域と共にあった会社の社史の題にふさわしいと考え選んだ。
 植田社長は「会社の成り立ちと、事業が立ちゆかなくなりそうな状況を後世に残そうとまとめた」と話している。
 A4判112ページ。3024円(税込み)。1000部作り、500部を販売している。問い合わせは同社 電話0244(26)9218へ。

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