東日本大震災

「連載・今を生きる」アーカイブ

  • Check

今を生きる 沖縄と文化の絆 25日開幕 展覧会に出品 12月は訪問ツアー計画

アトリエで作品作りに励む葉田野さん

■いわきのガラス工芸「とんぼ玉」作家 いわきの葉田野真佳さん 56

 いわき市在住でガラス工芸「とんぼ玉」作家の葉田野真佳(はたの・みちか)さん(56)は、福島と沖縄両県の芸術と文化交流を通して絆を強める活動に乗り出す。第一弾として25日から沖縄で開かれる展覧会に出品する。12月には福島の芸術家による沖縄訪問ツアーと作品展を催し、相互に展覧会を開く態勢づくりにつなげる計画だ。東京電力福島第一原発事故と米軍基地という苦悩を抱える両県民の「心の復興」を目指し歩みだす。

 「福島と沖縄、二つの故郷がある私だからこそ、できることをしたい」
 いわき市で生まれ育った葉田野さんは平成元年、夫との結婚を機に沖縄に移り住んだ。2人の息子を育てながら10年以上、沖縄で生活した。太平洋戦争の地上戦で壊滅的な被害を受け、米軍基地と隣り合わせの生活を強いられながらも、沖縄の人々は力強く生きている。その姿に心を打たれ、沖縄に深い愛情を抱くようになった。
 平成15年に家族でいわき市に戻り、23年3月に東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が発生した。復旧・復興に向けた作業が続く昨年7月、那覇市の団体から、いわき市に大型シーサーを贈りたいと相談を受けた。震災と原発事故で被災した福島県民を励まそうとの思いが詰まったシーサーだった。
 「自分が役に立てるときが来た」
 地元で芸術活動に取り組む仲間たちと「いわき嬉(うれ)シーサー実行委員会」を設立し、自ら会長に就いた。いわき市へのシーサー寄贈を仲介しながら、福島と沖縄をつなごうと動き始めた。
 25日から沖縄県南風原(はえばる)町で開かれる展覧会「東北の手仕事展」への出展を決めた。「とんぼ玉」約40点を出品しようと、アトリエで作品作りを進めてきた。赤や黄、緑、青などさまざまな色のガラスの棒を炎で溶かし、植物などの複雑な立体を作り上げる。何層もの花びらや葉が付いたガラス玉は照明を受け、きらきらと輝く。自分の作品を通して、復興に向かう福島の存在を沖縄の人たちに意識してもらいたいとの願いを込めた。
 12月には、福島県内で絵画や陶芸などに取り組む芸術家を対象とした沖縄訪問ツアーを実施する。30人ほどの参加を見込み、終戦後の那覇市復興を後押しした陶器職人の街・壺屋地域などを訪れる計画だ。
 参加者が作品を持ち込んで展覧会を開くとともに、シーサーなどを手掛ける現地の陶工らと絆を強める。交流を継続しながら相互に展覧会を開催する態勢づくりが目的で、旅行日程を調整している。福島と沖縄の芸術・文化を互いの地域で発信し、両県に暮らす住民の元気につなげることが目標だ。「自分にできることを一つずつ積み重ね、人々の出会いを紡ぎ出したい」

■琉球古武道と舞踊 来月2、3日本県で公演 伝統の舞で県民に勇気
 沖縄県に伝わる琉球古武道、琉球舞踊の公演が8月2、3の両日、本県で催される。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被災した県民を伝統芸能の力で勇気づける。
 公演は、いわき市出身で沖縄県浦添市在住の鈴木伸章さんが副理事長を務める「福島・沖縄絆プロジェクト」が橋渡しする。琉球古武道は宮里栄弘さんらが出演し、武器を持たない琉球の人々が農具を手に空手を交えて戦う姿を表現する。宮里さんは沖縄でも数少ない琉球古武道の伝承者で、本県での演武は初めて。琉球舞踊は照屋倫子琉舞道場のメンバーが三線や太鼓、琴の生演奏に合わせて華麗な舞を披露する。
 8月2日は午後4時から二本松市の原田公園内特設野外ステージで開かれる「丸や運送グループサマーフェスティバル」に出演する。入場無料。問い合わせは丸や運送 電話0243(22)0808へ。
 3日は午後5時30分から「玉川夏祭り」の一環として玉川村公民館で演じる。入場無料。問い合わせは実行委員会事務局(玉川村商工会) 電話0247(57)2250へ。

カテゴリー:連載・今を生きる

「連載・今を生きる」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧