東日本大震災

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防潮堤30年度完成 旧警戒区域、県が整備計画

 県は東京電力福島第一原発事故に伴う旧警戒区域(帰還困難区域を除く)の防潮堤を平成30年度までに完成させる整備計画をまとめた。完成時期は南相馬市と楢葉町が28年度で最も早く来年1月にも着工する。浪江、富岡両町が29年度、双葉町が30年度を目指す。大熊町は沿岸全域が帰還困難区域のため、完成時期を示さなかった。県は住民帰還に向けて社会基盤の整備を急ぐ。ただ、用地所有者の所在確認や放射線量が比較的高い場所での作業など課題があり、復旧が順調に進むかは不透明だ。
 防潮堤の高さは震災前の6.2メートルに対し、1メートルかさ上げして7.2メートルとする。津波が特に高かった富岡、楢葉両町は、2.5メートルかさ上げし、8.7メートルとする計画だ。
 警戒区域時の沿岸約40キロは立ち入りが制限され、総延長約34キロの防潮堤の被災状況を把握できなかった。しかし、避難区域の再編で避難指示解除準備、居住制限の両区域は日中の出入りが自由になり、県が各市町に出向き査定を進めてきた。その結果を基に整備計画を策定した。
 富岡町は避難指示解除準備区域にあるJR常磐線富岡駅の駅舎が津波で崩壊、流失した。JR東日本は沿岸部の防潮堤整備を駅舎復旧の前提条件としている。防潮堤復旧の見通しが立ち、常磐線で不通となっている竜田駅(楢葉町)以北の運行再開に向けて前進するとみられる。
 22日にいわき市で開かれた佐藤雄平知事と双葉郡、いわき市の市町村長の意見交換会で、宮本皓一富岡町長が防潮堤の早期整備を求めた。佐藤知事は「(富岡町の)復興に駅舎は不可欠。平成29年度までに防潮堤を復旧させる」と計画を明らかにした。
 県は25年度までに査定を終えた総延長65キロの防潮堤復旧予算として1300億円を見込む。国の災害復旧費が充てられるとみられる。旧警戒区域外の防潮堤については27年度の復旧完了を目指す。

■用地所有者の確認など課題
 旧警戒区域の防潮堤のうち、四分の一に当たる総延長8キロは帰還困難区域にあり、災害査定ができず復旧のめどが立たない。
 防潮堤をかさ上げする場合、土台部分の拡大に伴い新たな用地確保が不可欠となる。しかし、旧警戒区域の用地所有者は県内外に避難しており、所在確認に手間が掛かりそうだ。境界を決定する際には所有者の立ち会いが必要となる。
 旧警戒区域は東電福島第一原発から半径20キロ圏。放射線量が比較的高い地域での作業が求められ、いかに作業員を確保するかが課題となる。

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