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作業員被ばく量上限引き上げへ 原発で重大事故発生時

 原子力規制委員会は30日の定例会合で、原発で重大事故などの緊急事態が発生した際に、収束作業に当たる作業員の被ばく放射線量の上限について、現行の100ミリシーベルトから引き上げることを含め見直すことを決めた。今後、500ミリシーベルトを推奨する国際原子力機関(IAEA)など国際的な基準との整合性や法的課題を議論した上で、上限を引き上げる場合は放射線審議会に諮問する。
 東京電力福島第一原発事故では、作業員らの線量上限が100ミリシーベルトのままでは対応できないとして、特例として急きょ250ミリシーベルトまで引き上げられ、作業員の不安を招いた。会合で田中俊一委員長(福島市出身)は「100ミリシーベルトを超える事故が起こる可能性は完全に否定できない。福島第一原発事故の実態を踏まえ、現実的な対処の在り方を検討してはどうか」と述べた。
 今後、現行の上限では対応できない事故も想定し、数値の妥当性や作業員の健康管理など総合的に議論する。原子力規制庁の担当者は上限が引き上げられた場合、「福島第一原発で燃料の再臨界などにより急激に事故が拡大しそうだとなれば(新たな上限が)適用されることはあり得る」との見解を示した。
 被ばく線量は100ミリシーベルトでがんを発症して死亡する確率が0・5%上昇し、線量が多いほどリスクが高まるとされている。
 田中委員長は会合後の記者会見で、廃炉作業中の福島第一原発について「ベテラン作業員の被ばく量が多くなり、大事なところで働けなくなっている」との認識を示した。ただ、第一原発の作業員に新しい上限を適用することについては「今は、そのような考えはない」と述べ、現行の100ミリシーベルトを維持する考えを示した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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