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東電控訴せず 川俣の自殺賠償訴訟 「原発避難原因」確定へ

はま子さんの遺影を胸に心境を語る幹夫さん(左)。右は広田弁護士

 東京電力福島第一原発事故に伴い、川俣町山木屋から避難した渡辺はま子さん=当時(58)=の自殺と原発事故との因果関係を認め、東電側に損害賠償を命じた福島地裁判決を受け、東電は5日、控訴しないと発表した。遺族側も控訴せず、原発事故が原因で自殺したとして東電に賠償を求めた訴訟の判決が初めて確定する。

「早期解決図るため」

 控訴しない理由について東電は「訴訟の早期解決を図るために判断した」と説明した。控訴期限は9日だった。
 発表を受けて原告で、はま子さんの夫の幹夫さん(64)、原告代理人の広田次男弁護士らは5日、いわき市内の広田弁護士の事務所で記者会見した。広田氏は「(東電は)一定の誠意を示し、加害企業としての社会的責任を果たした」と語った。
 8月26日に福島地裁で開かれた判決公判で、潮見直之裁判長は、はま子さんが平成23年7月に自殺したのは、原発事故で全ての生活基盤を失ったことが原因と認められる-として自殺と原発事故との因果関係を認定。東電に対して、幹夫さんら遺族4人に総額約4900万円の損害賠償を支払うよう命じた。

「苦しみ理解してくれた」夫幹夫さん安堵の表情

 「東電は妻の苦しみを理解してくれた。うれしい気持ちでいっぱいです」。5日、いわき市内で記者会見に臨んだ、はま子さんの夫幹夫さんは安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 提訴したのは平成24年5月。これまでの心境について幹夫さんは「くじけそうになったこともあったが、妻の無念を思い訴え続けた」と振り返った。さらに「妻には『今まで頑張って良かったね』と伝えたい。あれだけ悩み、苦しんでいたので、きっと『良かったね』と言ってくれるはず。しかし、いくら線香を手向けても妻は帰ってこないことがつらく、悲しい」と語った。
 東電は8日、担当者が幹夫さんら遺族を訪ねて正式に謝罪する。

同様の訴訟に波及 相馬の自殺男性遺族の弁護士見解

 原発事故で将来を悲観し、自殺した相馬市の酪農家男性の遺族が東電に損害賠償を求めた訴訟で、原告代理人を務める保田行雄弁護士(東京)は「(判決は)原告の主張を全面的に認めた内容。東電が控訴を見送ったことで、今後に控えている同様の訴訟に波及するはず」との見解を示した。

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