東日本大震災アーカイブ

柔軟な防護基準設定や県民健康調査支援など 日本財団が提言

 日本財団は11日、福島市で開催した国際専門家会議「放射線と健康リスクを超えて」の成果を踏まえた提言を安倍晋三首相に提出した。放射線防護基準の柔軟な設定、県民健康管理調査への国の支援などを求める内容で、安倍首相は「努力したい」と応じた。
 提言の主な内容は下記の通り。放射線に関する情報伝達のインフラ整備や、保健医療・福祉サービス従事者を増員することの重要性も指摘している。
 同日、日本財団の笹川陽平会長、国際放射線防護委員会(ICRP)のジャック・ロシャール副委員長、福島医大の菊地臣一理事長と同大の丹羽太貫特命教授らが首相官邸を訪問。安倍首相を前に笹川会長が会議の成果を報告し、ロシャール副委員長は「(福島の)再生には時間がかかる。住民と地域を支援し、持続的発展を確実にすることが大事だ」と指摘した。
 これに対し、安倍首相は「福島の住民は放射線への不安、そして生活が一変したストレスの中で健康不安を抱えている」との認識を示し、「提言を参考に、福島の皆さんが健康で安心できる生活を取り戻せるよう努力する」と語った。
 国際専門家会議は8、9の両日開かれた。日本財団の主催、福島医大、笹川記念保健協力財団の共催、長崎大の協力。東京電力福島第一原発事故による県民の健康への影響を国内外の専門家が検証した。

【安倍首相への提言要旨】
①放射線防護基準は地域状況や個人の生活状況に応じて柔軟に設定すべき
②被災者が個々の放射線状況を理解し、管理できるよう情報伝達のインフラを整備すべき
③帰還以外の選択肢を取る避難者の権利も確保されないといけない
④復興に関わる成功事例の奨励、共有などを進めないといけない
⑤保健医療・地域福祉サービス従事者を大幅に増やす取り組みを支援することは極めて重要
⑥県民健康管理調査に対する支援と評価を継続すべき