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1350万円支払いで和解 東電、双葉病院患者死亡で初 千葉地裁

東電と和解が成立し、会見で現在の心境を語る女性患者のめい(手前)

 東京電力福島第一原発事故の影響で、大熊町の双葉病院に入院していた同町の女性患者=当時(83)=が適切なケアを受けられず避難先で死亡したとして、遺族が東電に約3100万円の損害賠償を求めた訴訟の和解協議は12日、千葉地裁(広谷章雄裁判長)であり、東電が約1350万円を支払うことで和解が成立した。原告を支援する原発被害救済千葉県弁護団などによると、同病院からの避難中に死亡し、遺族が東電を提訴した事例で初の和解となる。
 弁護団は同日、千葉市の千葉県弁護士会館で会見し、団長の福武公子弁護士らが和解内容を説明した。同地裁は、女性の死亡原因に原発事故が占めた割合を約75%と認定し、双方に和解案を示したという。原告側は100%、東電は50%程度と主張していた。
 和解成立を受け東電は「(和解の)詳細についてコメントを差し控える」とし、「今後も請求内容を精査し、真摯(しんし)に対応する」とコメントした。
 訴状によると、平成23年3月11日の原発事故直後から双葉病院では水道や電気、ガスが使用できなくなり、女性患者は適切なケアが受けられなくなった。5日後に救出されたが、避難先で脱水症状が原因で死亡したとしていた。
 遺族側は昨年11月に提訴。高齢などを理由に入院、療養していた女性患者について「原発事故前は生命に関わる疾患はなく、栄養状態に問題はなかった。過酷な生活で無念の死を遂げた」と主張していた。

■「責任認めさせた結果」 遺族
 「(今回の和解内容は)東電に原発事故の責任を認めさせた結果だと思う」。原告で、会見に臨んだ女性患者のめい(45)は心境を語った。
 めいは千葉県在住。福島に住んだ経験はないが、年2回は大熊町の伯母の元を訪ねていた。伯母の墓は帰還困難区域内にあって立ち入りが制限されているため、納骨を済ませていないが、22日にも墓参して和解成立を報告するという。
 女性は「和解はしたが、優しかった伯母が戻ってこないことが何より悔しい。原発事故さえなければ、と今でも思う」とうつむいた。

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