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【6号国道一般通行可能へ】浜の動脈復活期待 物流、観光に効果 避難者、帰還へ希望の道

通行規制が行われている富岡町の6号国道=10日正午ごろ

 東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域内の6号国道交通規制区間の解除日が決まった12日、浜通りの被災地に復旧・復興や住民帰還の加速化への期待感が広がった。解除後は、放射線量が比較的高い区域の走行への不安解消や、空き巣など防犯対策の強化が課題になる。

■コスト減
 「輸送コストが減り、時間が短縮できる」。いわき市泉町の磐栄運送の村田裕之社長(54)は歓迎する。
 いわき市から南相馬、仙台両市に荷物を運ぶ場合、磐越、東北両自動車道を経由して北上しているため、高速料金やガソリン代などの経費がかさむ。今後は6号国道の渋滞状況や荷主の意向などを確認した上で、6号国道を利用したいとする。
 観光面の効果も見込める。同市小名浜にあるアクアマリンふくしまの阿部由之助副館長(57)は「相双地区や県外からの集客増につながる」と期待する。
 相馬市観光協会の大河内富治夫事務局長(61)は「関東圏がぐっと近づく。スポーツ合宿・大会の誘致を通した交流人口の拡大につなげたい」と話す。
 南相馬市民にとっては、閉塞(へいそく)感の解消という心理的な効果も大きい。2月の大雪では、中通りと結ぶ県道が長期間通行止めとなり、「半孤立」状態に陥った。原町商工会議所の高橋隆助会頭(63)は「川俣、福島方面の県道以外にも関東方面に向かう選択肢ができる。南への商圏の拡大にもなる」と効果を指摘する。
 同市の自動車リサイクル業・シマ商会の菅野秀紀国内トラック販売部長(38)は「いわき方面から車を買いに訪れる顧客の利便性が高まる」と喜んだ。

■喜びの声
 避難者からは喜びの声が上がる。いわき市の仮設住宅で避難生活を送る双葉町のパート従業員中川洋子さん(48)は月に1回程度、相馬市の次男宅を訪ねるため、6号国道を利用している。通行するための免許証提示などの煩わしい手続きが不要となる。「スムーズに相馬に行ける」と歓迎する。
 規制の解除で復旧・復興のための交通量増大が見込まれる。一歩一歩復興を遂げていく古里は、避難住民にとって帰還への希望となる。富岡町の6号国道沿いにある給油所の所長を務める阿部正男さん(62)は、原発事故から約3年半を経ての交通規制解除への思いをこう口にした。「全面開通をきっかけに復興が加速してほしい」


6号国道と県道小野・富岡線除き 引き続き通行証必要

一般通行が可能となるのは6号国道と県道小野・富岡線。
288国道と県道いわき・浪江線の一部などは通行証、他の町内の道路の通行は一時立ち入りの許可が必要となる。
 政府は、通行時は無用な被ばくを避けるために、窓を閉めてエアコンは内気循環にするように呼び掛けている。


浜通りの首長 期待を寄せる

 浜通りの首長も大きな期待を寄せた。いわき市の清水敏男市長は「住民帰還や原発廃炉に向けて大きく前進する」と話した。
 相馬市の立谷秀清市長は「相双地方といわきは結び付きが強く、産業、医療、生活などあらゆる面で交流が進む」と言葉に力を込める。南相馬市の桜井勝延市長は「市の復旧・復興が加速し、非難している市民の利便性も高まる」とした。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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