東日本大震災

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高齢化、避難区域と会津で進行 避難区域30.1%、県平均上回る

 東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された県内12市町村の8月1日現在の人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は30・1%で、前年同日から1・1ポイント上昇した。県平均を2・5ポイント上回っている。一方、会津地方の高齢化がさらに進み、3町村で高齢化率が50%を超えた。避難市町村、会津地方とも若い世代の転出によって割合が上がったとみられ、老人の孤立防止対策などが急務となっている。
15日の「敬老の日」に合わせて、県が県内の高齢者数を発表した。避難区域が設定された田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の12市町村の総人口、高齢者数、高齢化率は【表1】の通り。
 12市町村の人口は18万7656人で前年同日に比べ2357人減った。一方、高齢者数は5万6432人で1362人増えた。高齢化率は8市町村で30%以上となり、川内村の37・6%が最高だった。
 前年同日と比べた高齢化率の上昇幅は1・1ポイントで、県全体を0・3ポイント上回っている。楢葉町の1・5ポイントが12市町村で最も高かった。
 県は12市町村の高齢化率上昇には、原発事故に伴う若い世代や子どもの県外避難などが影響したとみている。県統計課は「避難の長期化で若い世代が避難先に住民票を移す事例が増えている」としている。
 県によると、青年層の転居に伴い仮設住宅や借り上げ住宅で一人暮らしを余儀なくされる高齢者が増えているという。避難生活でストレスを抱え体調を崩すケースが相次ぎ、孤独死の事例も報告されているため県は見回り体制を強化する。
 現在、約200人の生活支援相談員を増員するため、平成27年度予算に関連費用を盛り込む方向で調整に入った。災害公営住宅などへの転居に伴い、避難者の分散化が想定されており、人員配置も見直す。
 原発事故で避難区域が設定された12市町村のうち、田村市は今年4月に同市都路町の避難指示が解除され、市内に避難区域はなくなった。しかし、市によると、解除された地域の住民の半数以上が市内外で現在も避難生活を続けている。

■会津の3町村50%超える
 高齢化率が高い県内市町村の上位5位は【表2】の通りで、会津地方の町村が占めた。金山町、昭和村に加え今年新たに三島町が50%を超えた。住民の過半数を高齢者が占める「限界集落」の対策が課題となっている。
 高齢化率は金山町の57・7%が最高で、昭和村55・4%、三島町50・1%と続いている。昨年同日と比べ金山は0・6ポイント、昭和は0・9ポイント、三島は1・1ポイントそれぞれ上昇した。
 金山町は30ある行政区のうち24行政区で高齢化率が50%を超えている。集落内で行う共同の農作業や祭事などへの参加者が減り、継続が難しくなっている。町は26年度から保育料、小中学生の給食費、修学旅行費などを無料化し子育てしやすい環境を整備した。ただ、町の担当者は「高齢化の問題を根本的に解決するためには若者の定住促進が不可欠」と話している。
 南会津町では住民の高齢化で、除雪や農地管理などが困難になった地区がある。町は、新規就農者の住宅整備などに力を入れている。

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