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浜通り「便利になった」 6号国道規制解除ルポ 残る高線量区間

大熊町の6号国道沿いの東京電力福島第一原発入り口付近を通過する一般車両や工事関係車両。この付近から線量計の数値が一気に高くなった=16日午前

 東京電力福島第一原発事故による双葉郡内の帰還困難区域の交通規制が解除となった6号国道は16日、規制解除後初めての平日を迎えた。一般車両の通行が増え、「利便性が増した」と一般ドライバーから歓迎の声が上がる一方、交通量が増えることによる事件事故の増加など懸念も抱える。15日の規制解除から2日間の様子を追った。(本社写真報道部副部長・猪俣広視、南相馬支社兼浪江支局・伊東一浩)

 6号国道の交通規制が解除され、初の平日となった16日、作業関係の車両に交じって走る多くの一般車両が目に付いた。「いわき」「福島」ナンバーをはじめ、「水戸」「宮城」など県外ナンバーも見られる。
 富岡町からいわき市に避難している主婦関根千春さん(47)はこの日、長男純一さん(24)とともに、規制解除後、初めて解除区間を通過した。「富岡より北に用事があるときは遠回りしなければならず、大変だった。便利になってうれしい」と歓迎した。
 7月末に楢葉町役場前にオープンした仮設商業共同店舗「ここなら商店街」の駐車場は15、16の両日ともに多くの車で埋まった。飲食店「おらほ亭」代表の横田峰男さん(49)は「作業関係ではないお客が増えた。規制解除で閉塞(へいそく)感がなくなり、前向きになる人も多いのでは」と期待を込めた。
 国土交通省磐城国道事務所によると、解除初日で祝日の15日に解除区間を通行した車両は約9300台。8月の日曜日平均の約2300台と比べ4倍と、大幅に増えた。
 一方、解除による課題も指摘されている。浪江町の馬場有町長は「防犯、防火には十分気を付けなければならない。パトロールを強化する必要がある」と強調する。道路沿いの住居前には侵入防止のバリケードが設置されるなど、避難区域は厳戒態勢を取っている。しかし、町民不在の今、監視の目が行き届くかどうかは不透明だ。16日は内閣府の担当者が大熊、双葉、富岡各町の要望書を持って双葉署臨時庁舎を訪れ、あらためて避難区域全般の防犯対策強化を求めた。
 15日、双葉町側のゲートの解除に立ち会った内閣府の担当者は「(自由通行を)望んでいた方は多いと思う」とする一方、「交通量が増えて状況がどう変わるか。(防犯面や交通事故対策など)十分なケアが必要」と気を引き締めていた。

■オートバイなど通行制限 周知徹底が課題
 6号国道を浪江町方面から南下すると、車内の線量計の数値は双葉町内で毎時2マイクロシーベルト前後に達し、大熊町の東京電力福島第一原発付近では8マイクロシーベルト超の数字に跳ね上がった。規制が解除されたが、高線量の区間はいまだに残る。環境省によると、規制が解除された14キロ区間の平均線量は毎時3.8マイクロシーベルトとなっている。
 今回の規制解除区間について内閣府は、自動車のみ通行でき、オートバイや自転車、徒歩は通行を制限するとしており、原則として駐停車もできないことになっている。被ばく対策に加え、防犯面の対策も兼ねた措置だ。
 しかし、通行できないことを知らずに引き返すオートバイの姿が見られるなど周知は進んでいないようだ。双葉署によると、実際に解除区間に入ってしまったオートバイもあったという。
 埼玉県から福島市方面を経由し、6号国道を南下しようとしていた男性4人は「オートバイで通行できないことを知らせる看板の文字が小さくて読みにくい。『二輪禁止』など一目で分かる表記にした方がいいのでは」と話していた。

※6号国道通行規制解除
 富岡、大熊、双葉3町にまたがる延長約14キロで、15日午前零時に解除された。4月から8月にかけて環境省が沿線の除染作業を行った。自動車のみ通行でき、原則として駐停車は禁止。6号国道と常磐自動車道常磐富岡インターチェンジを結ぶ富岡町の県道小野・富岡線の1.7キロ区間も通行可能となった。

カテゴリー:福島第一原発事故

6号国道沿いにあり、昼食や買い物に訪れる人でにぎわう楢葉町の「ここなら商店街」=16日午後

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