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市町村ごと「積込場」 原発事故除染廃棄物 中間貯蔵で環境省が輸送計画案

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を一時保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は18日、市町村ごとに「積込場」を造って仮置き場などの廃棄物を集め、国が大型車両で施設へ搬入するとした輸送基本計画案をまとめた。同日、都内で開いた有識者会合で示した。同省は輸送の効率化を狙うが、市町村内の除染廃棄物が集められる積込場の確保には周辺住民の理解が得られるかが課題になる。
 放射性物質汚染対処特措法は、国や市町村の除染実施者が廃棄物を輸送するよう定めている。しかし、輸送効率が高い大型車両が進入できない仮置き場などがある。小型車使用により施設周辺を中心に渋滞発生などが懸念されていた。
 このため同省は、市町村が小型車などを用い、管内の複数の仮置き場などの廃棄物を積込場に集めた後、国が中間貯蔵施設へ運ぶ「集約輸送」を状況に応じて導入する必要があると判断した。イメージは【図】の通り。
 積込場は市町村が整備・管理する。中間貯蔵施設搬入用大型車両の10トンダンプトラックが進入できる既存の仮置き場などの活用を想定している。関連費用は国が負担する方向で検討する。ただ、積込場の適正な規模や立地条件などは示されなかった。
 中間貯蔵施設との距離が近く、仮置き場が一カ所のケースでは、国が仮置き場から施設に運び込む「直接輸送」の手法も検討する。
 計画案ではこの他、搬出量や輸送ルートの調整、輸送物の全数管理などは国が中心に統括管理するとした。県、関係市町村、県警、輸送業者らでつくる「輸送連絡調整会議」も設置し、輸送状況などの情報を共有する。輸送ルート沿道のモニタリングも実施し、県民に情報公開するとともに対策を講じる。
 同省は来年1月の搬入開始を目指している。県や市町村から意見を聞き、10月中にも基本計画を決定する。
 福島第一原発事故により県内で発生した除染廃棄物は最大約2800万立方メートルと推計される。県によると3月末現在、県内の仮置き場は768カ所、住宅などの現場保管は5万3057カ所。

■積込場 住民の理解課題
 環境省は今後、各市町村に積込場確保の協力を求める。しかし、県内では仮置き場の設置すら住民の理解を得るのが難しく、先行きは不透明だ。
 現時点では積込場の詳しい設置基準も示されていない。各市町村が必要な規模や設備などを明示するよう国に求めるのは必至で、同省の担当者も「何らかの基準はつくりたい」としている。
 また、同省は大型ダンプトラックによる「集約輸送」で、必要な輸送車両や運転手の調達が容易になるとみている。しかし、2020年の東京五輪に絡んで需要がどこまで膨れ上がるかは見えておらず、計画変更を迫られる可能性もありそうだ。
 中間貯蔵施設をめぐり、県側は搬入を認める条件として、施設と輸送の安全性確保など5項目を求めている。
 国は、今回の輸送基本計画案の提示を条件クリアに向けた第一歩と位置付ける。

カテゴリー:福島第一原発事故

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