東日本大震災

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歌声で「ようこそ」 全国レク大会開幕 ステージと観客復興願い心一つ

総合開会式の全体合唱で観客と心を一つにする出演者

 「合唱王国福島」の歌声が来県者を出迎えた。福島市音楽堂で19日に行われた第68回全国レクリエーション大会2014福島の総合開会式。全体合唱で、福島市の女声合唱団と児童らが、全国から集った約1000人の仲間と「栄冠は君に輝く」「故郷」を歌い上げ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興に向かう本県の元気を発信した。
 出演したのは、福島市おかあさん合唱団と福島メール・ハーモニーの両合唱団合わせて約50人と、福大付属小合唱部の約30人。
 おかあさん合唱団と福島メール・ハーモニーの両合唱団は、福島市の詩人和合亮一さん作詞の「夢があるのなら」、同市出身の音楽家古関裕而さん作曲の「長崎の鐘」、「高原列車は行く」の3曲で美しいハーモニーを奏でた。
 おかあさん合唱団の逸見文子委員長(71)は「震災の際、全国の方から多くの支援を受けた。きょうは福島に来てくれた人に歓迎と恩返しの意味も込めた」と思いを話した。福島メール・ハーモニーの三宅祐子会長(75)は「みんな気持ちよく声が出ていた。歌で福島の元気を発信できたはず」と喜んだ。
 福大付属小合唱部の約30人は「ゆうき」「まいごのひかり」「Best Friend」を元気いっぱいに歌声を響かせた。堀越玲衣部長(12)=6年=は「福島に来てくれた皆さんに、勇気と感動を届けることができるように心を込めた。福島を好きになってほしい」と笑顔を見せた。
 ステージと観客席とが一体となった参加者全員による「栄冠は君に輝く」と「故郷」の全体合唱で、会場の盛り上がりは最高潮に。来年の大会会場となる長野県から参加した竹中雅幸長野県レクリエーション協会長(61)は「会場の一体感がすごかった。美しい歌声や演奏に感動した。福島の良い点を見習い、来年の大会の成功につなげたい」と話した。


■友の遺志継ぎ準備に奔走 本多実行委員会長「立派な大会にしたい」

 「全国からこんなに多くの人が福島に来てくれた。仏前に報告したい」。県レクリエーション協会長で、実行委員会の本多勉会長(67)=福島市=は天国から見守る仲間に思いを寄せながら、来場者に地酒を紹介するなど温かくもてなした。
 県レクリエーション協会理事、福島市レクリエーション協会長を務め、大会準備に尽くした蒲倉一男さん=享年(66)=は昨年4月に亡くなった。大会の本県開催が決まったのは東京電力福島第一原発事故から約1年後の平成24年4月。当時は「福島」が国内はじめ世界中で「フクシマ」や「Fukushima」の文字で表現された。
 「自分たちが生まれ育った故郷を『福島』として発信し、素晴らしさを全国の人に感じてほしい」。大会名を協議する準備委員会で蒲倉さんが思いをぶつけた。蒲倉さんの気持ちに共感し、大会名には「福島」の文字が採用された。
 本多会長と蒲倉さんは小学校からの同級生で、竹馬の友だった。「気負い過ぎず、背伸びをせずに福島の今を見てもらおう」と、蒲倉さんの遺志を継ぎ準備を進めてきた。今年のお盆には蒲倉さんの仏前に大会スローガン「福島に 集い咲かそう 笑顔の輪」の文字が躍る小型ののぼり旗をお供えし、「いよいよ来月だぞ」と声を掛けた。
 「天国から笑顔で見てくれているはず。蒲倉のためにも立派な大会にしたい」とほほ笑んだ。

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