東日本大震災

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自慢の味に長い列 B-1グランプリ 出展団体、本県産食材使い復興後押し

お目当てのご当地グルメを手に笑顔を見せる来場者

 福島県郡山市で18日に開幕した第九回B-1グランプリin郡山の会場には、多彩な「ご当地グルメ」を食べ比べる来場者の笑顔が広がった。県産食材を使った料理も多く、福島の農産物の安全をアピール。関係者は、国内最大級の集客力を誇るまちおこしイベントによって、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興に弾みがつくと期待した。
 八戸せんべい汁(青森県・八戸せんべい汁研究所)、浜松餃子(静岡県・浜松餃子学会)、「甲府鳥もつ煮」(山梨県・甲府鳥もつ煮でみなさまの縁をとりもつ隊)...。会場には、有名なご当地グルメがずらりと並ぶ。青空の下、来場者は出展団体のテント前に長い行列をつくり、お目当ての逸品に舌鼓を打った。
 親類と訪れた郡山市の主婦柳田泰子さん(61)は「全国のご当地グルメを食べて元気が湧いてきた。多くの人が集まるイベントの開催は福島を元気にする」と言葉を弾ませた。東京都の会社員大村幸史さん(38)は、今大会が「被災地応援特別大会」と銘打っていることを知り来場した。「最初になみえ焼そばを買った。なるべく被災地を訪問しようと思っている。息長く支援したい」と述べた。
 多くの出展団体が原発事故による風評払拭(ふっしょく)を目指し、食材に県産のコメや野菜を使っている。県産卵を使ったあかし玉子焼ひろめ隊(兵庫県明石市)の古志利宗隊長(39)は「震災を経験した県として福島の現状は人ごとではない。福島産品のおいしさをアピールする」と語った。
 岩手、宮城両県からは東日本大震災で被災した地域の団体も出展している。宮城県石巻市の石巻茶色い焼きそばアカデミーは鉄板などを保管していた倉庫が津波で流されたが、全国からの支援を受けて復活させた。木村均事務局長(55)は「元気なわれわれの姿を見てほしい」と話した。岩手県久慈市の久慈まめぶ部屋の小笠原巨樹代表(36)は「福島とともに前に進みたい」と笑顔を見せた。
 県はB-1グランプリの県内への経済波及効果を20億9700万円と試算している。郡山市観光協会の菅野豊会長(67)は「磐梯熱海温泉にも宿泊予約が相次いだ。来場者に本県の魅力を売り込み、来年のうくしまデスティネーションキャンペーン(DC)成功につなげることが大事」と訴えた。

■なみえ焼そばつなぐ絆 避難町民駆け付け 「頑張り」励みに
 原発事故により二本松市などで避難生活を送っている浪江町民が、福島県内から唯一出展している浪江焼麺太国(なみえやきそばたいこく)のメンバーを激励するため会場を訪れた。
 約70人がバス2台で駆け付けた。同市の借り上げ住宅に暮らす町民でつくる二本松コスモス会の会長を務める五十崎(いそざき)栄子さん(65)は、浪江焼麺太国のテント前にできた行列に目を細めた。
 避難生活の中で約3年前に夫を亡くした。先行きの見えない暮らしでストレスを感じる。そんな中、なみえ焼そばを通して全国に町の魅力を発信している若者の存在が、心を明るくしてくれている。
 人で埋まった会場を見て、うれしくなった。「(太国の)これまでの努力をたたえたい。自分も負けずに頑張る」と言葉に力を込めた。
 浪江町職員や、ボランティアの町民がイベントを支えている。実行委員会に出向している町臨時職員の江田あゆみさん(26)は、チケット管理などを担当。「古里のために力を尽くす」と張り切っている。
 浪江焼麺太国メンバーの滝真琴さん(37)は「自分たちの活動が町民の励みになってうれしい。ますます努力したい」と誓った。

浪江焼麺太国の応援に駆け付 け、笑顔を見せる五十崎さん(左)

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