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今を生きる 「夢少しだけ実現」 木目込人形を展示 26日から

自作の人形を手に展示会への思いを語る吉田さん

■浪江から南相馬に避難 吉田キクイさん

 東京電力福島第一原発事故で浪江町から南相馬市に避難している吉田キクイさん(78)は26日から30日まで、同市原町区の銘醸館で手作りの木目込(きめこみ)人形展を開く。避難生活の中で作った人形もあり、吉田さんは「1人でも多くの人たち見てもらえたら幸せ」と来場を呼び掛けている。
 木目込人形は、木製の人形に筋彫りを入れ、布を押し込んで着物を着ているように仕上げる。吉田さんが人形を作り始めたのは約20年前。豊かな表情と、着せる布の取り合わせなどで独自性を出せる点が気に入り、これまでに約200点を作ってきた。
 原発事故後、避難生活を強いられ、精神的にも肉体的にも疲弊した。「人形を作る気が起きなかった」と振り返る。今年になって気持ちを奮い立たせ、人形作りを再開した。「避難生活のつらさを忘れられる」。あらためて人形作りの魅力に気付いた。
 浪江町の実家に残されていた人形たちに日の目を見せよう-との思いとともに、「自分の生きてきた証しにしたい」と展示会の開催を決意した。
 原発事故がなければ浪江町の実家敷地内に人形館を造る予定だった。誰もが気軽に訪れ、お茶を飲みながら人形をめでる場になるはずだった。その夢はかなえられないままだが、「展示会で夢を少しだけ実現させられるかな」とほほ笑んだ。
 展示会は入場無料。吉田さんの作品約120点を披露する。時間は午前10時から午後4時まで。
 問い合わせは銘醸館 電話0244(26)8040へ。

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