東日本大震災

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心癒やす箏の音色 いわきで慰問 再開

伝統芸能を伝え続け、多くの人を励まそうと慰問活動をする鈴木さん(中央)。右は尺八奏者の椎名さん

■富岡から避難 生田流雅風会師範・鈴木玉喜さん 81

 東京電力福島第一原発事故で富岡町からいわき市に避難している箏(そう)の生田流雅風会師範・鈴木玉喜さん(81)は、同市鹿島町の特別養護老人ホームパライソごしきを慰問し、美しい音色で施設利用者の心を癒やした。

 鈴木さんは原発事故発生後、福島市の長男宅で約2年半、避難生活を続けた。富岡町では約20人の生徒を教え、介護施設などの慰問活動も行っていたが、避難後は演奏する元気を失った。多くの町民が不自由な生活を強いられる中、楽器を弾くことに罪悪感も覚え、しばらく箏に触れることができなかったという。
 平成25年3月に郡山市で行われた富岡町東日本大震災追悼式などでの演奏を強く依頼されたのをきっかけに練習を再開し、演奏を披露した。同年11月にいわき市に移り住み、今年10月にはいわき市小川町の介護老人保健施設を訪れて慰問活動も再始動した。
 今回の慰問は、富岡町で一緒に活動していた尺八奏者の椎名直久さん(67)と共に訪れ、「ふるさと」や「七つの子」などを奏でて郷愁を誘った。鈴木さんは演奏に合わせて歌う施設利用者に「すごく上手ですね」などと声を掛け、元気づけた。
 鈴木さんは今後も継続して慰問活動を展開する予定で「多くの人を励ましながら、伝統芸能、文化を伝え続けたい」と笑顔で語った。

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