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復興への闘い 震災3年の現実(22)第3部 市町村の奮戦 郡山 成功体験を将来へ

大勢の来場者でにぎわうB-1グランプリの会場。市民の協力が支えになった=10月19日、郡山市・開成山公園

 郡山市は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後、全国規模の会議や催事を積極的に誘致している。
 いかに市内へ人を呼び込むか―。市役所本庁舎2階にある国際政策課で、職員は誘客につながるよう効果的に市を売り出す方法を考えている。「フェイスブックなどの交流サイトを活用してはどうか」「市のイメージキャラクターを県外にどんどん行かせよう」。同課を所管する政策開発部長の阿部哲郎(56)は「人が集まる催事は魅力を発信する絶好の機会になる」と話す。10月に開いた「第9回B―1グランプリin郡山」が好例だった。

 B―1グランプリは、地域おこしを目指す団体が一堂に集まり、ご当地グルメとパフォーマンスで地元の魅力を伝える。昨年8月、主催するご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(通称・愛Bリーグ)から市に打診があった。「原発事故で避難区域になった浪江町の代わりに開いてほしい」。毎回、会場になる都市は2、3年かけて準備を進める。震災対応が続く中、1年後に開けるのか。職員に不安がよぎった。市長の品川萬里(まさと)ら幹部は決断する。「復興を後押しし、市から福島県の元気を発信する大会にする」。受け入れが決まった。
 来場者数は2日間で約40万人と過去に経験のない規模の催しになる。予算の確保も見通せない。何より、原発事故の風評が続く中、食を通したまちおこし行事にどれだけの人が集まるのか。職員は頭を抱えた。
 担当になった職員10人だけでは運営できず、人員の確保が最大の懸案になった。職員は休日返上で地元企業や大学に通い、祭典の公益性を説いた。町内会に足を運び、理解を求めた。賛同者・団体が次々と増え、実行委員会が発足した。

 約45万3000人。10月18、19の両日に会場を訪れた人は予想の40万人を大きく上回った。協力した市民ボランティアは延べ2000人に膨らむ。出展団体は食材に県産の野菜やコメなどを選んだ。近くに設けた物産店では震災と原発事故から立ち上がる県民の姿を紹介した。
 市B―1グランプリ推進本部長で産業観光部長の箭内研一(60)は「市民をはじめ民間の協力が成功の原動力になった」と胸を張る。課題は、にぎわいの継続だった。(文中敬称略)

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