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復興への闘い 震災3年の現実(23) 第3部 市町村の奮戦 郡山 魅力発信 挑戦続く

会議で市の持つ特色を点検するPRタスクチームのメンバー=27日

 郡山市では4月の東京ガールズコレクションや10月のB-1グランプリなど全国規模の催事をはじめ、主要会議、研修会が相次いで開かれている。いずれも東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被災した本県の復興支援が目的だったが、持ち回りだったり、他県も開催を望んだりして継続開催は難しい。
 市は8月、効果的な宣伝方法を考える「シティープロモーション庁内戦略会議」を発足した。28課の職員でつくる部局横断型の組織で、下部組織に若手職員で構成する「PRタスクチーム」を置く。これまで3回の会議を開き、市の持つ特色をあらためて確かめた。「地域資源を活用する」。全員の考えは一致した。

 市の大きな魅力に猪苗代湖がある。湖から引く安積疏水は市発展の礎で、世界に誇れる遺産だ。10月に猪苗代湖を舞台とする「サイクルエイド・ジャパン2014in郡山ツール・ド・猪苗代湖」を初めて開いた。全国から自転車ファン約1000人が集まる。参加者は豊かな自然の中を走り抜けた。「景色が素晴らしい」と好評だった。
 磐梯熱海温泉も自慢の観光資源に挙がった。市長の品川萬里(まさと)は2020(平成32)年の東京五輪で来日する各国選手団の合宿地にと誘致活動を始めた。温泉や名所などの地域資源、交通の利便性、収客力、そして民間の力...。市の魅力を総合的に売り出す。来年4月には文化スポーツ部を新設する方針だ。政策開発部長の阿部哲郎(56)は「五輪関連事業を誘致し、交流人口の拡大につなげる」と構想を練る。

 全国に市を広める好機が続く。念願だったご当地ナンバー「郡山」の交付は17日に始まった。来春は県内の自治体とJRが協力し全国から誘客を目指す「ふくしまデスティネーションキャンペーン」を控える。
 追い風は吹くが、早期の除染や風評の払拭(ふっしょく)といった原発事故からの復興はこれまで以上に急がなければならない。衆院選の準備も続く。市役所の庁舎は深夜まで電気がともる。阿部は新年度当初予算案の策定に向けた資料を前に気持ちを引き締める。「震災前より躍進し、本県を引っ張るのが中核市としての役割だ」
 市町村の職員は震災発生後、増える業務に悩み、解決策を模索し、奮戦する。古里復興への使命感が先の見えない闘いを支えている。(文中敬称略)

=連載「復興への闘い」は終わります=

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