東日本大震災

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署員の勇気後世に 富岡で避難誘導中津波被災のパトカー 町が保存展示へ

富岡町仏浜地区にある被災したパトカー。町は町内の双葉署近くに移し保存する

 富岡町は平成26年度内に、東日本大震災の津波で被災した県警のパトカーを震災の記憶を残す貴重な資料として独自に保存する。16日開会した12月定例議会で宮本皓一町長が明らかにした。パトカーに乗っていた双葉署員2人は、住民の避難誘導中に津波に襲われ、犠牲になった。身をていして住民を守った署員の勇気を末永く伝える。
 被災したパトカーは、津波で原形をととどめない形になって町内の仏浜地区に残されている。
 パトカーに乗っていたのは増子洋一警視=当時(41)、二階級特進=、佐藤雄太警部補=当時(24)、二階級特進=で、住民の避難誘導中に津波に襲われたとみられる。
 町は年明け以降、パトカーを1キロ余り離れた町中央地区の双葉署北側にある岡内東児童公園内に移す。公園内では雨などをよけるための屋根などを設置する方向で検討している。移送や施設整備の費用は県立博物館が負担する。
 町は殉職した署員の尊い行為と、町内の被災状況を後世に伝える貴重な資料とする。将来的には町の震災史などをまとめる際や、震災関連施設での展示での活用も想定している。
 町は7月、町民有志から被災パトカーを町として保存するよう陳情されたのを受けて検討に入った。県警本部や遺族と相談を重ねた上で、今月1日、県警本部から被災パトカーの無償譲渡を受けた。
 町に陳情した町民有志の代表で、いわき市に避難している会社経営藤田大さん(44)は「町がきちんとした形で保管してくれるようになり良かった。被災したパトカーを見るたびに、自分も頑張ろうと勇気をもらう。町民として語り継がなければならない」と今回の判断を喜ぶ。
 宮本町長は「自らの危険を顧みず多くの町民の命を守り抜き、殉職した警察官の勇気を感謝の気持ちを込めて後世に伝えたい」としている。

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