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避難区域で広域連携 12市町村 2020年を復興目標に

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域が設定された県内の12市町村について、政府は東京五輪が開催される2020年を当面の復興の目標に定め、放射線量の低い地域を中心に広域連携による復興を目指す。23日、福島市で開いた12市町村の将来像に関する有識者検討会の初会合で、方針を示した。住民の生活再建に必要な社会基盤を合理的に整備し、早期復興につなげる考えだ。

■有識者検討会 福島で初会合
 初会合で、政府が明らかにした将来像策定の方針では、東京五輪が開催される2020年を当面の復興の目標とした具体的ビジョンをまとめる。福島第一原発に近い12市町村には、放射線量が高く、当面は帰還が見込まれない地域もあるため、医療施設や教育機関、商業施設など復興に必要な社会基盤を各市町村単位ではなく、広域的な活用を想定して整備する。広域連携を強化するため、12市町村間の行政サービスの実施についても検討する。
 福島第一原発の事故収束と廃炉には40年以上かかるとされる。このため、震災発生時、12市町村に住んでいた現在、小学4年生以上を対象に来年1月からアンケートを実施し、30~40年後の将来像に取り入れる。
 初会合は冒頭以外非公開で開かれた。冒頭、竹下亘復興相は「広域に考え、(12市町村の)エリアの将来像を議論してほしい」とあいさつ。市町村の枠組みを超えた復興に向けての検討を求めた。
 さらに、2020年に開かれる東京五輪を、本県をはじめとする東北の復興を世界にアピールする好機と位置付け、「そこまでを区切りに復興を進めていこう、具体的にイメージしていこうと思っている」と述べた。
 検討会は来年夏までに複数回開催する。「産業振興」「健康、医療」「住環境整備」「教育・人材育成」「観光促進」などを論点に、将来像に関する政府への提言をまとめる。
 初会合終了後、記者会見した大西隆座長(豊橋技術科学大学長)は「12市町村に分けずに、地域を一体として考えるとどうなるのか、というのが検討会の役割だ」と強調した。検討会委員の内堀雅雄知事は「12市町村は広大なエリアであり、広域自治体としてのリーダーの役割を果たしていきたい」と述べた。
 12市町村は次の通り。
 田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘

■具体策示せるか焦点
 初会合では、内堀知事と広野、富岡、川内、双葉、浪江、葛尾の6町村長がそれぞれの復興計画などを説明した。出席した首長の一人は「既に市町村が策定した計画と、政府が策定する12市町村の将来像との整合性を図っていく必要がある」と課題を指摘した。
 政府が示した論点には一次産業の戦略的推進も盛り込まれたが、除染が進まず、風評も根強い中、いかに具体策を示せるかが焦点となる。

カテゴリー:福島第一原発事故

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