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南相馬の避難勧奨地点を解除

 政府の原子力災害現地対策本部は28日、東京電力福島第一原発事故に伴い放射線量が局所的に高いために指定した南相馬市の特定避難勧奨地点142地点(152世帯)を解除した。県内の特定避難勧奨地点は全てなくなった。ただ、住民からは「除染が不十分」などの根強い反発があり、指定されたうち約8割に上る避難世帯の帰還が進むかどうかは不透明で、住民の不安払拭(ふっしょく)が課題となる。
 南相馬市には、放射線の年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるとみられ、特定避難勧奨地点に指定された地点が橲原、大原、大谷、高倉、押釜、馬場、片倉の7行政区にあった。対策本部が7、8の両月に実施したモニタリング調査で、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回ることが確実となったため、県、市に指定解除を通知。市を通じて住民に通知された。
 しかし、住民の放射線に対する懸念は払拭されておらず、「宅地内に放射線量が高い場所がある」と再除染を求める声もある。市除染対策課は「帰還促進のため対応する必要がある」としているが、実施時期は市の除染計画に基づいた20キロ圏外の除染が完了する29年3月以降にずれ込む可能性があるという。
 さらに、宅地周辺の林野部の除染は周辺20メートルまでと限定的な対応となっている。林野全体の除染は、政府の方針が定まっておらず、手付かずの状態だ。特定避難勧奨地点があった行政区長らでつくる南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会の菅野秀一会長は「自分が知る限り、解除されたから帰るという住民はほとんどいない。徹底的な除染が必要だ」と指摘する。
 市は住民の帰還促進対策として、専門家による健康相談やホールボディーカウンターによる継続的な内部被ばく検査を行う考えだ。原子力災害現地対策本部の担当者は「生活再建の時期や方法は各世帯で異なる。地元である市の取り組みを支援していく」としている。

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