東日本大震災

「賠償の底流-東京電力福島第一原発事故」アーカイブ

第8部 部営業・精神的損害(51) 識者に聞く

 「賠償の底流・第8部」では、政府、東京電力が示した営業損害の一括賠償と精神的損害賠償の一律継続に潜む問題を追った。「事業所や避難者の切り捨てにつながりかねない」との懸念に対し、原子力損害賠償訴訟に携わる渡辺淑彦弁護士(いわき市)、賠償制度の問題点を...[記事全文

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第8部「一律」の功罪 避難者切り捨ての懸念(50) 帰還か、とどまるか 進まぬ生活基盤回復

帰るか、とどまるか-。避難者の思いは政府、東電が打ち出す方針の間で揺れ動いている=会津美里町・宮里仮設住宅
 東京電力福島第一原発事故に伴う居住制限、避難指示解除準備両区域を抱える市町村で、両区域の解除に向けた協議が進む。南相馬市、川俣町、飯舘村で両区域の解除が控える。昨年から今年にかけては楢葉町の避難指示解除準備区域が昨年9月、葛尾村は今年6月12日に両...[記事全文

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第8部 「一律」の功罪 賠償格差(49) 心の傷に「線引き」 苦痛を招いた新基準

広野町民が暮らすいわき市内の仮設住宅。一部町民は賠償格差による不公平感の解消を求めている
 「町民は苦渋の思いで賠償打ち切りを受け入れた。なぜ不満を蒸し返すようなことをするのか」。広野町の遠藤智町長は、政府が昨年6月に打ち出した東京電力福島第一原発事故に伴う精神的損害賠償の一律継続方針を聞き、がくぜんとした。  居住制限、避難指示解除準備...[記事全文

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第8部 「一括」の先行き 岐路に立つ事業所(48) 個別対応どこまで 除染終了展開見えず

県建設業協会の事務所内の復興事業・原子力発電所事故損害賠償対策室。事業継続の不安などが寄せられている
 福島市五月町の県建設業協会の事務所の一室に「復興事業・原子力発電所事故損害賠償対策室」がある。日々、寄せられる相談の中で目立ち始めているのが除染作業終了後の事業継続への不安の声だ。  理事兼相談役の高木明義さん(66)は除染業務講習会の資料に視線を...[記事全文

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第8部 「一括」の先行き 立証の壁(47) 減収の裏付け困難 営業損害、交渉に溝

顧客回復が見込めない中、厳しい経営を強いられる武藤さん。東電の柔軟な対応を求める
 「(東京電力福島第一原発事故との)相当因果関係の確認にあたっては、事業実態や統計データ等を踏まえながら、賠償の可否を含め適切にお取り扱いを判断します」  東電は昨年6月に示した営業損害賠償の新基準として、避難区域外は平成27年8月以降の年間逸失利益...[記事全文

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第7部 ADR・訴訟 地域事情(46) 併用案で解決急ぐ 川俣山木屋 裁判の長期化懸念

ADRの申し立てに向けて資料に見入る大内さん
 東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示解除準備区域と居住制限区域が設定されている川俣町山木屋地区は精神的損害を訴訟、建物など財物価値の低下に対する賠償を裁判外紛争解決手続き(ADR)で解決しようとしている。訴訟とADRの併用によって早期の支払いを実...[記事全文

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第7部 ADR・訴訟 地域事情(45) 裁判が解決の近道 判決まで2年の見方も

地域再生へ公的賃貸住宅などの整備が進む田村市都路町。賠償問題の早期解決を願う住民は多い
 東京電力福島第一原発事故に伴う精神的損害賠償をめぐっては裁判外紛争解決手続き(ADR)を選択せず、訴訟に持ち込む例もある。  田村市都路町の旧緊急時避難準備区域の住民586人は昨年2月、東電と国を相手に精神的損害賠償の支払いを求める訴訟を地裁郡山支...[記事全文

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第7部 ADR・訴訟 地域事情(44) 手探りの実情説明 福島渡利 廃棄物の苦痛訴え

シートに包まれ、駐車場に現場保管される除染廃棄物。中央奥は県庁
 福島市渡利地区の住民3107人が昨年7月、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)は極めて異例な内容だった。  東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を庭先に長期にわたり保管しているなどの精神的苦痛に対し、平成23...[記事全文

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第7部 ADR・訴訟 地域事情(43) 和解案は個別判断 審理の透明性確保を

自宅近くの畑を回る菅野さん。原発事故後、耕作放棄地が増加した
 伊達市保原町富成地区の住民が東京電力福島第一原発事故に伴う精神的損害賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターは「地域の事情に応じた解決を目指している。原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)の中間指針なども踏まえて合意...[記事全文

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第7部 ADR・訴訟 地域事情(42) 先例準じた解決を 伊達富成 和解案示されず焦燥

休園している富成幼稚園。地域住民は地域ににぎやかな声が復活するのを望んでいる
 伊達市保原町富成地区(高成田、富沢地区)の324世帯・1171人は昨年3月、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。いずれも東京電力福島第一原発事故に伴う賠償対象となる特定避難勧奨地点に指定されなかった地域の住民...[記事全文

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第6部 ADR・訴訟 浪江(41) 制度見直しの時期 現状踏まえた指針を

住民説明会で参加者の声に耳を傾ける浜野弁護士。原賠審に解決の責任を求める=19日
 浪江町民が精神的慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)をめぐり、19日に郡山市で開かれた町の住民説明会。原子力損害賠償紛争解決センターが示した和解案に対し、東電は拒否を続け、和解への道のりは険しさを増している。  説明会に参加した町民を...[記事全文

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第6部 ADR・訴訟 浪江(40) 「個別事情」で相違 和解の道のり険しく

東電が早期に和解案を受諾するよう願う佐藤さん。仮設住宅で亡くなった申立人も多い
 浪江町民が東京電力福島第一原発事故に伴う精神的慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、平成26年3月に原子力損害賠償紛争解決センターが和解案を示してから1年9カ月。申立人約1万5000人のうち、今年7月現在で365人が死亡した。高齢の...[記事全文

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第6部 ADR・訴訟 浪江(39) 公平性欠ける内容 東電は和解案を拒否

東電に理解を求める馬場町長(中央)ら。東電の拒否姿勢は今も変わらない=平成26年7月
 浪江町民が東京電力福島第一原発事故に伴う精神的慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターは平成26年3月に月5万円増額の和解案を示した。町は約1カ月かけて支援弁護団と対応を協議した。月25万円増額の要求額に...[記事全文

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第6部 ADR・訴訟 浪江(38) 苦痛の増加認める センター 避難の現状反映

町から届く広報誌に見入る渡部さん。避難先から古里の行く末を案じる
 平成26年1月、浪江町民が精神的慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)の現地調査が行われた。  元町職員の渡部慎也さん(40)=さいたま市に避難=は居住制限区域の同町立野上地区にある自宅で調査に立ち会った。和解案の内容を検討する原子力損...[記事全文

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第6部 ADR・訴訟 浪江(37) 町の決断揺るがず 住民の訴え届くのか

19日の住民説明会の準備を進める鈴木さん(右)。生の声を聞く貴重な機会となる
 浪江町産業・賠償対策課賠償支援係の職員3人は17日、東京都内で弁護士と会っていた。「あさって、よろしくお願いします」。東京電力福島第一原発事故を受け、町民約1万5000人が精神的慰謝料の増額などを原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた裁判外紛争...[記事全文

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第5部 財物(36) 手続き複雑、断念も 森林の再生へ正念場

「損害があるのに泣き寝入りだ」。永沼さんは立木賠償の煩雑さを指摘する
 「賠償手続きが複雑で請求を断念する森林所有者は少なくない。原発事故による損害があるにもかかわらず、泣き寝入りだ」。ふくしま中央森林組合長の永沼幸人さん(75)は東京電力福島第一原発事故による立木賠償の行く末を案じる。  阿武隈山系を含む10市町村を...[記事全文

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第5部 財物(35) 伐採、搬出もできず 県指針で新たな損害

木材のチップを手にする満山さん。原発事故後に購入した山林で伐採、搬出ができない状況が続いている
 「買った山から木を切り出せないんだ。この損失はどうなるのか」。白河市大信の素材生産業・産業廃棄物処理業「ミツヤマグリーンプロジェクト」社長の満山泰次さん(55)は、田村市船引町の森林図をテーブルに広げ、ため息をついた。  国有林の立木公売で林野庁福...[記事全文

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第5部 財物(34) 一方的な基準疑問 手続きの法制化必要

大熊町に設けられた中間貯蔵施設の一時保管場。周辺では政府と地権者の用地交渉が進む
 秋になると黄金色の稲穂を実らせる水田が大熊町夫沢2区にあった。東を向けば東京電力福島第一原発の西門が見える。今、その場所は原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設予定地になっている。  所有者の門馬好春さん(58)は双葉高を卒業後、大学...[記事全文

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第5部 財物(33) 避難先の新築困難 追加でも資金足りず

東電から届いた賠償の書類を見る男性。今後の生活への不安が残る
 二本松市にある浪江町役場二本松事務所に寄せられる宅地や家屋の財物賠償に関する問い合わせは後を絶たない。産業・賠償対策課賠償支援係の3人が連日対応に追われている。主任主査兼係長の鈴木清水さんは「相談に来る町民の生活環境、状況はさまざまで正直どう助言し...[記事全文

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第5部 財物(32) 和解勧告働き掛け 2つの基準に揺れる

自宅で放射線量の資料を広げる藤原さん
 「そもそも特定避難勧奨地点を指定する基準があいまいなんだ。それなのに何で指定の有無で宅地などの賠償に差が出るのか。理不尽だよ」。南相馬市原町区大谷地区の区長を務める藤原保正さん(67)は唇をかみしめた。  政府は東京電力福島第一原発事故直後、放射線...[記事全文

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第5部 財物(31) 勧奨地点に「空手形」 資産評価求めADR

のどかな風景が広がる南相馬市原町区馬場地区
 南相馬市原町区馬場地区は阿武隈山系の麓に広がる。東京電力福島第一原発事故直後は局地的に放射線量の高い場所が点在した。避難区域が設けられた同市小高区のように全域に避難指示が出ることはなかったが、地区内327世帯のうち39世帯が特定避難勧奨地点に指定さ...[記事全文

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第4部 精神的損害(30) 実態即した対応を 拙速幕引き 反発必至

居住制限区域と避難指示解除準備区域の精神的損害賠償に関する東電の発表文
 東京電力福島第一原発事故に伴う居住制限区域、避難指示解除準備区域の精神的損害賠償を避難指示の解除時期に関係なく平成30年3月まで支払い続ける方針を示し、生活再建や帰還を促す動きを見せる政府。一方、政府の思惑と現実の暮らしのはざまで揺れ動く住民がいる...[記事全文

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第4部 精神的損害(29) 都路、地域差が拡大 住民融和へ模索続く

都路町の生活を支える仮設商業施設「ど~も」。コミュニティーの回復が急がれる
 東京電力福島第一原発事故で田村市都路町に設けられた緊急時避難準備区域(約870世帯)は平成23年9月、避難指示解除準備区域(約120世帯)は26年4月に解除された。地区内に避難区域がなくなり、少しずつだが住民の生活再建が進む。  避難指示解除準備区...[記事全文

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第4部 精神的損害(28) 南相馬分断を懸念 住民に「絆」育む動き

南相馬市小高区にオープンしたひまわりカフェで住民らと語らう小林さん(右)
 東京電力福島第一原発事故で全域が避難区域にある南相馬市小高区に4日、オープンした喫茶スペース「ひまわりカフェ」で来店者の会話が弾む。近況や地域の将来像と話題は尽きない。ただ、賠償の話になると表情が曇る。一人が「(賠償金が)もらえていいね-とか、避難...[記事全文

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第4部 精神的損害(27) 広野対象外に疑問 生活再建費支給望む

広野町で製材業を再開できず、避難先のいわき市で仮設住宅の管理人を務める田村さん
 広野町からいわき市に避難する田村弘一さん(51)は同市四倉町の仮設住宅を見回りながら「今は広野には戻れない。このまま、いわきに残って、管理人の仕事で培った経験を生かしていくしかない」とぼやいた。  田村さんの仕事は県の緊急雇用創出事業による仮設住宅...[記事全文

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第4部 精神的損害(26) 楢葉「延長」を評価 避難解除に疑問の声も

賠償の書類に目を通す長岡さん。将来の生活への不安は尽きない
 避難指示解除準備区域の楢葉町上繁岡からいわき市の仮設住宅に避難している長岡竹勝さん(63)は東京電力福島第一原発事故前、建設会社に勤める傍ら、農業を営んでいた。畑65アールと水田30アールの肥えた土が自慢だった。「荒れた畑を見るのは我慢できない」と...[記事全文

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第4部 精神的損害(25) 与党「憎まれ役」に 期間明示、苦渋の決断

額賀本部長(中央)に要望する遠藤町長(左から2人目)と遠藤村長(右から2人目)=6月3日、自民党本部
 自民党の東日本大震災復興加速化本部の額賀福志郎本部長(71)=衆院茨城2区=は6月3日、東京・永田町の党本部で広野町の遠藤智町長(54)と、川内村の遠藤雄幸村長(60)らに詰め寄られた。  「賠償格差が拡大することに到底納得するものではない」。遠藤...[記事全文

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第4部 精神的損害(24) 避難指示解除が鍵 生活環境の整備必要

自民党東日本大震災復興加速化本部が設置されている東京・永田町の党本部
 「遅くとも事故から6年後までに避難指示解除を実現できるよう、環境整備を加速する」。6月12日に首相官邸で開かれた政府の東京電力福島第一原発事故からの復興指針改定に向けた会議で、安倍晋三首相は関係閣僚に指示した。  政府は原発事故による居住制限、避難...[記事全文

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第4部 精神的損害(23) 国主導で方針転換 住民の不安解消狙う

第5次提言の取りまとめに向けて協議する自民党東日本大震災復興加速化本部の会合。避難区域解除や賠償の在り方などが議論された=5月
 自民党の東日本大震災復興加速化本部が5月19日に東京・永田町の党本部で開いた幹部会。出席者の手元に、政府に提出する第5次提言の原案が配られた。非公開の議事を終えて退席した本県選出国会議員の一人が手応えを口にした。「復興の加速と被災者の自立につながる...[記事全文

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第3部 課税(22) 就労不能も対象に 控除などで異なる負担

就労不能賠償の請求書類に目を落とす坂本さん
 就労不能に伴う損害賠償(就労不能賠償)は東京電力福島第一原発事故前の雇用主に代わり、第三者の東京電力が給与分を支払う仕組みだ。原発事故当時、避難区域に生活の拠点や勤務先があり、原発事故による避難で就労が困難になったため、減収・失業した住民が対象とな...[記事全文

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第3部 課税(21) 政府の対応 時遅く 納税後に軽減制度創設

浪江町の葬儀場を再開させるため改修工事に着手した朝田さん。課税対象の営業損害賠償などの納税を済ませた後に、国の税負担軽減措置が創設された
 東京電力福島第一原発事故で全町避難を強いられた浪江町の6号国道沿いに、冠婚葬祭業「如水」の結婚式場と葬儀場がある。  「結婚式の需要は皆無だが、『葬式は浪江でやりたい』という要望が寄せられている。葬儀場の再開は私の使命だ」  社長の朝田宗弘さん(7...[記事全文

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第3部 課税(20) 将来設計不透明に 納税額に振り回され

避難先で亡くなった人の名を墓誌に彫る西内さん。工場の再稼働や設備投資は賠償額に左右される=4月、浪江町
 東日本大震災の津波で墓地が流された浪江町請戸地区に今春、共同墓地「町営大平山霊園」が完成した。400区画の大半が埋まり、同町加倉の西内石材にも墓石の新規建立の依頼が来た。  「仕事がある浪江に拠点を置くのが現実的な選択だと思う」。社長の西内久志さん...[記事全文

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第3部 課税(19) 納税、賠償金頼み 埋まらぬ損害 悪循環

避難先のアパートで領収書を手に決算書の作成に追われる西内さん。賠償金をもらわないと納税できない苦境にある
 所得税や法人税などの申告・納付の延長措置が3月末で切れた。東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された12市町村の個人・事業所に限り認められてきた。浪江町の西内石材社長、西内久志さん(50)は納税の意思はありながら期限に間に合わなかった。  西内...[記事全文

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第2部 営業損害(18) 園児数減 避難で加速 幼児教育 存続の危機

園長室から園児の姿を見守る関さん。原発事故によって減った県内の子どもたちが戻ってくるのを願う
 2万4873人-。平成26年10月現在の本県の子ども(18歳未満)の避難者数だ。東京電力福島第一原発事故で放射性物質が拡散した。依然として、子どもに与える影響を心配する父母は多い。  避難区域内外を問わず私立幼稚園の経営は窮地に立たされている。原発...[記事全文

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第2部 営業損害(17) 「自立したくても...」 保護者の不安拭えず

使われていない保育室。原発事故で園児数は激減し、回復の見通しは立たない
 東京電力福島第一原発事故に伴う避難などで園児数が減り、南相馬市原町区の青葉幼稚園は東電から平成23年12月分までの営業損害賠償の仮払いを受けた。  「保護者の思いは人それぞれだから...」。同年10月の再開以降、幼稚園の掲示板に、園舎内の環境放射線...[記事全文

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第2部 営業損害(16) 支払額の合意至らず 減収分、補助金が頼り

賠償関係の書類に目を通す安川さん。営業損害賠償の打ち切りの時期が素案に示され不満が募る
 東京電力福島第一原発から30キロ圏内にある南相馬市原町区の青葉幼稚園では、今年春に入園する子どもたちを迎え入れる準備が進む。名簿の確認、保護者への説明資料...。幼稚園を運営する学校法人青葉の理事長・安川正さん(67)は、作業が一段落するたびに不安...[記事全文

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第2部 営業損害(15) 園児半減経営を圧迫 「地域が破壊された」

通園の希望に関する保護者からの返信のはがき。希望者は少なかった
 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域外の事業者も厳しい経営を余儀なくされている。放射性物質の拡散により地域の環境が崩壊・変質したためだ。  +    +  先生また明日ね-。南相馬市原町区の青葉幼稚園に園児の元気な声が響く。幼稚園を経営する学校法...[記事全文

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第2部 営業損害(14) 東電原発被害損害賠償弁護団副事務局長 紺野明弘弁護士に聞く 被害ある限り償いを

国と東電が示した営業損害の賠償の素案の問題点を指摘する紺野弁護士
 東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域内に構えた、かつての事業所での再起を期す経営者は多い。避難区域外での移転再開には県などの補助金が用意されているが、経営者には費用負担が重くのしかかるケースもある。移転再開を諦め、避難指示の解除を待つ事業者の生活...[記事全文

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第2部 営業損害(13) 膨れ上がる補助金 国の支援 延長不可欠

県が策定した「県浜通り地方医療復興計画」。震災と原発事故で壊滅的な打撃を受けた浜通りの医療の復興に向けた計画が記されている
 東京電力福島第一原発事故は避難区域の医療態勢に大きな打撃を与えている。  避難指示解除準備区域にある南相馬市の市立小高病院は昨年4月、一部外来の診療再開にこぎ着けた。しかし、それ以外の避難区域内の医療機関は再出発に踏み出せていない。避難区域はいつ解...[記事全文

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第2部 営業損害(12) 地域医療崩壊の危機 早急な救済求める声

原発事故前の小高赤坂病院。再開への糸口は見つからないままだ
 南相馬市小高区の小高赤坂病院が加盟する東電原発事故被災病院協議会は平成23年5月の設立以来、東京電力福島第一原発事故による課題に意見を交わしている。22医療機関・団体で構成する。「経営をどう立て直せばいいのか。住民の医療ニーズに対応できない」。医療...[記事全文

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第2部 営業損害(11) 解雇か...悩み尽きず 職員、再就職に足踏み

避難生活の状況を記した手帳に目を通す男性職員。今後の人生をどう歩むか、悩みは尽きない
 「解雇しなくてはならないのか...」。東京電力福島第一原発事故の影響で休業が続く南相馬市小高区の小高赤坂病院の院長・渡辺瑞也(みずや)さん(72)は、胸のつかえが取れない。避難先の仙台市の住宅。目を閉じると、職員1人1人の顔が思い浮かぶ。  職員は...[記事全文

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第2部 営業損害(10) 「死ねと言うことか」 政府、東電「終了」の素案

賠償金からの支払先を確認する渡辺さん。原発事故の特殊性を踏まえた制度の整備を求めている
 昨年12月22日、東京電力福島第一原発事故による休業が続く南相馬市小高区の小高赤坂病院の院長・渡辺瑞也(みずや)さん(72)は込み上げる怒りをこらえ切れず、体を震わせた。「この資料は何だ。死ねと言うことか」  福島市のホテルの会議室。会合には商工業...[記事全文

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第2部 営業損害(9) 移転再開の道暗礁に 自己資金10億円必要

病院の移転再開計画を記した書類。計画は補助事業の内容変更に伴い暗礁に乗り上げた
 南相馬市小高区で精神科を中心に診療していた小高赤坂病院は、東京電力福島第一原発事故で休業を強いられた。病院周辺は避難指示解除準備区域で住民の避難が続く。国が除染を進めている。  原発事故前、患者の多くは南相馬市や相馬市、双葉郡の住民だった。開院から...[記事全文

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第2部 営業損害(8) 病院再開を模索 経営成り立つのか

休業が続く小高赤坂病院。病棟に人影はなく、周辺は枯れ草に覆われている
 東京電力福島第一原発事故で避難指示解除準備区域となった南相馬市小高区の小高赤坂病院は、休業が続く。鉄筋コンクリート造りの病棟に人影はない。敷地内の広場やベンチを覆う枯れ草が寒風に揺れた。  院長の渡辺瑞也(みずや)さん(72)は一日も早い再開を模索...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(7) 「人間が駄目になる」 自力回復に奮闘続く

阿賀川の渓谷沿いに旅館、民宿が連なる湯野上温泉。原発事故による風評払拭が課題となっている
 広葉樹の山々に囲まれ、阿賀川の清流がきらめく。会津地方の豊かな自然の中に、下郷町・湯野上温泉の旅館「こぼうしの湯 洗心亭」はたたずむ。地元で生まれ育った本島慶文(よしふみ)さん(63)が、心も体も癒やしてほしいと平成元年8月、開業した。  観光...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(6) 続く風評、客足戻らず 「頼りたくないが...」

旅館から美しい雪景色を見詰める本島さん。にぎわいを取り戻そうと奮闘する日々が続く
 下郷町の湯野上温泉は阿賀川の渓谷に沿って旅館10軒、民宿17軒が連なる。  東京電力福島第一原発からは約100キロ離れ、町内の空間放射線量は毎時0・04マイクロシーベルト程度だ。事故前とほとんど変わらない値だが、温泉街のにぎわいは「3・11」を境に...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(5) 実態に即した制度を 事業の再建できない

郡山市に開いた歯科医院で治療に当たる新妻さん。事業再建のため努力を続ける
 郡山市堂前町のビル2階にある「にいつま歯科医院」は今年5月にオープンした。東京電力福島第一原発事故に伴い、川内村の新妻学さん(49)が大熊町の医院を移転し再開した。歯科治療に加え、歯を白く美しくする審美歯科も手掛ける。清潔感あふれる院内は最新の機器...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(4) 税金試算 6000万円迫る納期 「運転資金さえない」

大熊町の歯科医院。原発事故で設備の多くは持ち出すことができなかった=平成23年5月、新妻さん撮影
 「簡単に納められる金額じゃない」。郡山市堂前町で「にいつま歯科医院」を営む新妻学さん(49)は国税納付額の試算表を目にし声を震わせた。  6000万円-。  試算額には過去5年分の所得税などが含まれている。猶予されていた税金が一気にのしかか...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(3) 奪われた「信頼関係」 再開の道筋も見えず

損害賠償の関係資料に目を通す坪井さん。古里に帰還しても仕事を再開できず、損害賠償に頼らざるを得ない日々が続く=田村市都路町
 「放射性物質がなくなったわけではない」。政府の避難指示が解除され8カ月余りが過ぎた田村市都路町古道の合子荻田地区。原木シイタケ農家坪井哲蔵さん(66)は自宅周辺を見回した。解除後も住民の帰還は進まず、人通りは少ない。  地区内の住宅地などは国直轄の...[記事全文

カテゴリー:賠償の底流-東京電力福島第一原発事故

第1部 ふくしまの叫び(2) シイタケ栽培で生計 出荷制限、収入絶える

山あいに家々が点在する田村市都路町の合子荻田地区。集落は本格的な雪の季節を迎えつつある
 田村市都路町の一部は平成23年3月、東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域となった。  同町古道の合子荻田地区で原木シイタケ農家を営む坪井哲蔵さん(66)の避難生活が始まった。貴重品を抱え、妻の英子さん(59)や母親らと自宅を離れた。親類の家などを...[記事全文

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第1部 ふくしまの叫び(1) 頼らざるを得ない どうやって生きるか

出荷停止が続く原木シイタケ。原発事故以降、ほだ木は放置された。山林の除染は手付かずのままだ
 田村市都路町の避難指示解除準備区域が解除されて8カ月余りが過ぎた。同町古道の合子荻田地区は、阿武隈山系の山林に囲まれた20戸ほどの集落だ。  「避難が解除されたからといって、元通りの生活には戻れない」。原木シイタケ農家の坪井哲蔵さん(66)は白い息...[記事全文

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