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今を生きる 寄り添う介護 誓い努力 利用者の声励みに 准看護師資格取得目指す

患者に寄り添う看護を学ぶため日々勉強を重ねる油座さん

■いわきの特養勤務 油座隆之さん 32

 いわき市の油座隆之さん(32)は市内の社会福祉法人愛誠会特別養護老人ホーム「せいざん荘西山館」に勤務しながら、准看護師の資格取得を目指し、いわき准看護学校で学んでいる。「暗い顔をしていては駄目」。東日本大震災時、利用者から掛けられた一言で自分の未熟さを知り、「福祉を学び直したい」と進学を決意した。「さまざまな病気に苦しむ患者の気持ちに寄り添い、助けになれる人間に成長したい」と誓う。

 茨城県の大学を卒業後、地元に戻り、介護の道に進んだ。忙しいながらも笑顔に支えられて、充実した日々を送っていた。
 震災発生時は勤務中で、利用者の身の回りの世話をしていた。揺れが収まると、利用者の安否確認に奔走した。夕方、職員が集まって今後の対応を話し合った。「これからどうすればいいんだろう-」。その時、利用者の女性が笑顔で「どうしたの、暗い顔をしてちゃ駄目だよ」と油座さんの背中を勢いよくたたいた。「誰より不安を感じているのは利用者だ。利用者の気持ちを第一に考え、行動しなければならない」。油座さんは自分の未熟さに気付いた。
 震災後、これまでを振り返り将来を考えた。病気の専門知識があれば、利用者に親身になって不安に寄り添う介護ができるのではないかと考えた。「自分を育ててくれた利用者が穏やかな毎日を送れるよう、一から福祉の知識を学び直したい」。震災時のあの一言に背中を押され、職場の応援もあって進学を決意した。
 実習を目前に控えた昨年11月末、看護師の象徴であるナースキャップを受け、決意を新たにする「戴帽式」が行われた。油座さんは答辞で戴帽生代表として「患者をよく見て、質の高い看護を提供するため努力を重ねる」と誓った。
 1月から、いよいよ病院などでの実習が始まった。油座さんは「新鮮な気持ちで実習に臨み、より良い福祉と介護に貢献したい」と話した。

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