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県、国に再検討要請へ 営業損害賠償打ち切り 県内全商工団体「反対」

 東京電力福島第一原発事故に伴う営業損害の賠償支払いを平成28年2月分で終了するとした経済産業省資源エネルギー庁と東電の素案に対し、福島県内89商工会と10商工会議所の全てが19日までに「反対」との意向を示した。各団体は「原発事故は収束しておらず、容認できない」としている。県は、早ければ今週中にも資源エネルギー庁と東電に素案の再検討を要請する方向で調整に入った。

 県商工会連合会は、加盟する全商工会から文書や聞き取りなどで素案に反対の意向を確認した。連合会の轡田倉治会長(岩瀬商工会長)が21日に資源エネルギー庁と東電を訪れ、連合会加盟商工会の総意として「営業損害の終期を決める時期ではない。継続すべき」との意見書を提出する。避難区域内外の商工会長も同行し、現状を伝える方針だ。轡田会長は「原発事故の被害を正確に認識してもらえるよう強く訴える」としている。
 一方、県商工会議所連合会は10商工会議所から、営業損害の賠償打ち切り方針に対する意見を集約。全商工会議所が打ち切りに反対し、賠償の継続を求めている状況を県に対し報告した。渡辺博美会長(福島商工会議所会頭)は「原発事故による非常事態は続いている」と語り、県と連携して賠償継続を求めていく姿勢を示した。
 県原子力損害対策課によると、現在、営業損害賠償の対象となる県内20団体から意見の集約を進めている。19日までに10団体から提出を受け、いずれも素案に反対する見解が示されているという。同課は「少なくとも納得している団体は今のところない」としている。

■真摯に受け止め対応を考えたい エネ庁
 素案を示した資源エネルギー庁の原子力損害対応室は「各団体の意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の対応を考えていきたい」とした。東京電力福島復興本社福島広報部は「被災した商工業者の実情を踏まえ、適切に対応していく」との考えだ。
 賠償指針を定める原子力損害賠償紛争審査会事務局の文部科学省原子力損害賠償対策室は「(資源エネルギー庁と東電が)素案を示し、地元の意見を聞いている段階。今後の推移を見守る」とした。

※営業損害賠償の素案
 経済産業省資源エネルギー庁と東京電力が昨年12月、県商工会連合会などに示した。商工業者らに対する営業損害の賠償支払いを福島第一原発事故から5年となる平成28年2月分で終了する内容。これまで、避難区域内の支払い時期は今年2月分までとされ、避難区域外の賠償期間は決まっていなかった。

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