東日本大震災

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規制委浄化後放出を認可 第一原発サブドレン地下水

 原子力規制委は21日、東京電力福島第一原発の汚染水対策として、原子炉建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げて浄化後に海に放出する計画を認可した。規制委が放射性物質で一時汚染された地下水の海への放出を認めるのは初めて。浄化後の地下水の放射性物質濃度は国の排出基準を下回るとみられているが、風評被害などを懸念する地元の漁業関係者らの反発は根強い。現時点で運用開始の見通しは立っていない。
 計画では、1~4号機の原子炉建屋やタービン建屋周辺の既存のサブドレン57本のうち復旧した27本と、原発事故発生後に新設した15本の計42本で地下水をくみ上げる。浄化設備で放射性物質を取り除き、タンク貯蔵後に東電独自の排出基準を下回っていることを確認した上で海に流すとしている。東電は計画実施で、建屋に流入する1日300~400トンとされる地下水を半減できるとみている。
 規制委は同日の定例会で、適切な排水管理が担保されてるとして計画を認可した。ただ、地下水をくみ上げた結果、建屋内から地中への汚染水漏えいを防いでいる地下水の水圧が低下しないよう慎重な運転管理などを条件に付した。
 ただ、東電は「関係者の同意なしに放出しない」として、地元漁業者の理解を得るための説明を続けており、運用開始は見通せない状況だ。
 東電はサブドレン地下水の排出基準を国の基準より厳しく設定した。ストロンチウム90などベータ線を放つ放射性物質は、汚染前の水をくみ上げる「地下水バイパス」の1リットル当たり5ベクレル未満に対し、3ベクレル未満に厳格化した。セシウム134、137はともに同一ベクレル未満、トリチウムは同1500ベクレル未満と地下水バイパスと同水準となっている。
 東電の試験では、放射性物質濃度を千分の1~1万分の1程度まで低減する浄化装置を使用すると、サブドレン地下水の濃度は東電が定める基準を下回ったという。
 更田豊志委員長代理は「(建屋への地下水の流入抑制では)凍土遮水壁も計画されているが、サブドレンの運用が主役だ」と重要性を強調した。
 国が海への放出を認めている放射性物質を含む水の基準である告示濃度限度では、1リットル当たり、セシウム134は60ベクレル未満、同137は90ベクレル未満、ストロンチウム90などのベータ線は30ベクレル未満、トリチウムは6万ベクレル未満となっている。
 東電は原発事故発生前の平成21年度、福島第一原発のトリチウムの放出管理基準を、国が定める年間22兆ベクレルを下回る年間2兆ベクレルに設定し、トリチウムを含む水を海に流していた。

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