東日本大震災

  • Check

本県公共工事の労務単価8.9%引き上げ 依然、岩手、宮城より低い水準

 国土交通省は30日、公共工事の予定価格算出に用いる建設作業員の1日当たりの基準賃金「公共工事設計労務単価」を2月1日から本県の全職種平均で8.9%(昨年2月比)引き上げ、1万7625円に改定すると発表した。本県は引き上げ率が全国平均4.2%の2倍以上となり、伸び率が全国で最も高くなったが、労務単価は同じく東日本大震災で被災した宮城、岩手の両県より依然として低い水準にとどまっている。
 本県は復興事業の本格化に伴う人手不足で人件費が上昇しているのを受け、都道府県別で最高の伸び率となり、単価は全国平均の1万6678円を上回った。しかし、宮城県の全職種平均は4.9%上昇し1万8878円、岩手県は5.0%伸び1万7965円となった。被災3県平均は引き上げ率が6.3%で、労務単価が1万8224円。本県の労務単価は宮城、岩手両県、さらには被災3県平均よりも低かった。
 被災3県の昨年2月の前回引き上げ率は平均8.4%だったが、本県は7.8%と低く労務単価は1万6945円だった。東京電力福島第一原発事故の影響で復興事業が遅れる中、県や建設関係団体は公共工事の予定価格を引き上げ入札を円滑に進めようと、国に対応を求めていた。
 労務単価は国が毎年10月の賃金実態を調査し、とびや溶接など51職種ごとに都道府県別に定めている。このうち宮城、岩手両県は復興需要に対応する特例措置として37職種は5%を上乗せし、労務単価としている。本県は前回まで7職種に限られていたが今回、30職種追加され、宮城、岩手両県と対象職種がようやく同じになった形だ。
 国交省の担当者は「職種ごとの需給動向を見極め、福島の復興の加速化に向けて特例措置は宮城、岩手両県と同様の対象数とした。労務単価に開きがあるのは実際に支払われている賃金に差があるため」としている。
 一方、全職種のうち、建物などのコンクリートの形を決める枠を作る「型わく工」やコンクリートを流し込む前の骨組みを鉄筋で組む「鉄筋工」などの労務単価が本県より隣県の宮城県で高い状態が続く。型わく工は前回、本県が1万8500円のところ、宮城県は2万6300円で7800円の差があった。今回は、本県が2万800円で、宮城県は2万8000円となり、依然として7200円の開きがある。
 本県は岩手、宮城両県に比べ、災害公営住宅をはじめとした避難者の新たな住宅建設が遅れている現状がある。県建設業協会の担当者は「今年は本県でも建設工事の本格化が見込まれる。人手不足の解消に向け、国にさらなる対応を求めたい」と県と連携して、隣県との差額解消を引き続き求める考えだ。
 県内は人件費や資材の高騰などで、工事の入札不調が相次ぎ復興事業の停滞が問題になっている。平成26年度上期(4~9月末)の県発注工事の入札不調発生率は20.7%で、25年度全体の21.4%と比べて0・7ポイント減にとどまっている。

東日本大震災の最新記事

>> 一覧