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今を生きる 西会津の"味力"次々開発 野菜シロップかき氷、地元産米のり巻き...

雪国まつりで販売するホットミルクを試作する仲川さん

■地域おこし協力隊員 仲川綾子さん 33(川俣出身)

 西会津町の地域おこし協力隊員として活動する仲川綾子さん(33)は、地元の特産品を使った食品を次々生み出し、住民の評判を呼んでいる。ミネラル野菜のかき氷シロップなどが人気を集め、町は商品化に向けた支援を検討している。都内の食品関連会社を辞め昨夏、町に移り住んだ。「温かく迎えてくれた人たちに恩返しがしたい」との思いが原動力だ。東京電力福島第一原発事故による農産物の風評が続く中、西会津の食の魅力を全国に発信する挑戦が続く。
 仲川さんは川俣町出身。福島市の福島学院大短期大学部食物栄養科を卒業後、平成14年4月に市内の食品加工メーカーに就職した。企画部門で、県内外に出荷するデザートなどの商品開発に取り組んだ。
 24年8月、東京本社に異動したが、都会の暮らしに息苦しさを感じた。自然豊かで、新鮮な食べ物にあふれる福島の魅力にあらためて気付かされたという。「故郷に戻りたい」。昨年4月に退社し、当時交際していた夫の徳清さん(47)の住む西会津町に移住した。
 食に関わる仕事への情熱は衰えなかった。町が募集していた地域おこし協力隊(食品加工担当)に応募し、6月に採用された。夏にはブルーベリーやアスパラガスなどのミネラル野菜を使ったシロップのかき氷、秋には西会津産コシヒカリののり巻きを作り、町内の道の駅・にしあいづ交流物産館「よりっせ」やイベントなどで販売した。食べた人から「おいしい。素材の味が生きている」と絶賛する声が上がった。
 ミネラル野菜のエキスの入ったマシュマロ、町内で焼いたパンにアイスクリームを挟んで食べるアイスドッグも考案。地元産にこだわり、農家などの関係者と意見を交わして納得のいく味を追求している。若い「食べ物博士」の存在は、町民に少しずつ知られるようになった。
 原発事故後、風評の影響により、道の駅で販売している農産物の売り上げは落ち込んでいる。仲川さんは、こうした現状が悔しくてならない。「食品開発に関わった経験を生かし、全国の人に西会津の食の魅力を伝えたい」と誓う。
 伊藤勝町長は「(仲川さんは)6次化商品開発など、食品加工に力を入れている貴重な人材。幅広く販売するため、商品化に向けた支援も検討したい」と話している。

■地元産ジャム使用ホットミルク 8日、雪国まつりで販売

 仲川さんは8日、最終日を迎える西会津町の西会津雪国まつりの会場で、牛乳に地元産のジャムなどを溶かしたホットミルクを限定販売する。
 ホオズキジャム、ブルーベリージャム、あずきの3種類がある。トッピングとして焼いたマシュマロを添える。
 ホットミルクの値段は200円。販売する時間は午前10時から午後4時まで。

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