東日本大震災

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児童の笑顔、川辺に戻れ 震災後初のカヤ刈り取り 福島

阿武隈川河畔のカヤなどを刈り取る横山さん(左)

■阿武隈川「渡利水辺の楽校」 地元住民ら「将来は稚魚放流を」

 福島市渡利の阿武隈川河畔の「渡利水辺の楽校(がっこう)」で7日、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後初めてヨシやススキなどのカヤ類の刈り取りが行われた。市内の民家園のかやぶき屋根の補修に使う。参加した地元住民や県、市の関係者は川辺に再び児童の笑顔があふれる日々を思い描いた。
 「またここで、子どもたちと交流したい」。地元の環境団体「水辺の会わたり」会長の横山寿昭さん(72)は、次々と刈り取られる約3メートルのカヤを見詰めた。同団体は平成8年の「渡利水辺の楽校」開設に合わせて地元の町会長らが設立した。自然を大切にしてもらおうと毎年、地元の渡利小児童と一緒にハヤ、サケの稚魚放流、合同清掃、川の水質調査などに取り組んできた。しかし原発事故後は、放射線の不安から児童の行事参加が見送られた。
 「渡利水辺の楽校」を管理する国土交通省福島河川国道事務所は原発事故後、カヤの刈り取りを自粛した。放射性物質の測定値が高く、焼却施設に搬入できないためだ。原発事故から4年近くとなり、周辺地域の除染や放射性物質の自然減衰が進んだため、久しぶりに再開した。活用方法を市に相談すると、民家園のかやぶき屋根の補修材としての活用が決まった。
 7日の作業は「水辺の会わたり」などの環境団体、国、市から約70人が参加した。広さ約1・2ヘクタールの「渡利水辺の楽校」の10分の1に当たる12アールでカヤを刈り取った。長くて半年ほど保管して乾燥させ、民家園に運び込む。保管場所を確保でき次第、残りの1・08ヘクタールでも作業を進める。
 横山さんは「児童と一緒に稚魚を放つのが楽しみ。カヤの刈り取りは防犯にも役立つ」と心地よさそうに汗を拭った。同事務所の渡辺敏彦河川管理課長(46)は「地元の団体と連携し、川に親しむ催しを企画したい」と話した。

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