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浄化地下水の海洋放出計画 いわき市漁協容認へ

 いわき市漁協は、東京電力福島第一原発の建屋周辺の井戸「サブドレン」からくみ上げた水を浄化後に海洋放出する計画を受け入れる方向となった。12日、市内で理事会を開き意見を集約した。16日の理事会で、廃炉作業での安全確保など国と東電への要望事項をまとめた上で正式決定する。一方、相馬双葉漁協は23日の理事会で対応を協議する。
 いわき市漁協の理事会は非公開で開かれ、組合の全7支所の代表から放出計画に対する意見や要望を聞いた。
 理事会終了後、報道陣の取材に応じた矢吹正一組合長は「(計画の)必要性について漁業者は理解している。国や東電に要望を出し、履行してもらえるなら仕方がないということで一致した。受け入れられないという支所はなかった」と述べた。
 国と東電に対する要望には、廃炉作業の安全確保のほか、風評被害対策の実施、福島第一原発の廃炉が完了するまでの損害倍賞継続などを盛り込むよう求める意見が出たという。
 県漁連は25日、いわき市で県漁協組合長会を開き、いわき市、相馬双葉両漁協の意見を踏まえた上で海洋放出計画に対する方針をまとめる。
 東京電力は海洋放出する地下水について、「放射性物質濃度は国の基準を大きく下回る」と説明している。
 国はセシウム134について1リットル当たり60ベクレル未満、同137は90ベクレル未満、ストロンチウム90などのベータ線を放つ放射性物質は30ベクレル未満、トリチウムは6万ベクレル未満とする海への排出基準を設けている。福島第一原発事故以前、電力会社は各原発で、基準値以下のトリチウムを含む水を放出していた。
 一方、東電は国に比べ、さらに厳しい基準を独自に設定。セシウム134、137はともに1リットル当たり1ベクレル未満、ストロンチウム90などの放射性物質は3ベクレル未満、トリチウムは1500ベクレル未満としている。東電の試験では、放射性物質濃度を1000分の1~1万分の1程度まで低減する浄化装置を使えば、同社の排出基準を下回るという。
 原子力規制委は1月21日、福島第一原発での汚染水対策となる海洋放出計画を認可した。更田豊志委員長代理は「(建屋への地下水の流入抑制では)サブドレンの運用が主役だ」という見解を示している。

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