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福島をつくる(22) 第2部 スポーツの力 福島ホープス(野球)

合同の自主練習で走り込む福島ホープスの選手。球団は野球に加え、選手の人間教育にも力を入れる

<社会貢献を義務付け>

 プロ野球の独立リーグ・BCリーグに今春参戦するプロ野球球団「福島ホープス」の選手は、4月11日の開幕戦(福島民報マッチデー)を前に合同の自主練習に汗を流している。伊達市の企業の体育館やジムを借り、体づくりに励む。
 「リーグ優勝も狙えるチーム」。球団代表の山本優司(51)は自信をのぞかせる。山本は代表に就く直前までBCリーグの運営会社で運営部長兼審判部長を務め、多くのチームに間近で接してきた。日本野球機構(NPB)から監督の岩村明憲(36)、コーチの真田裕貴(31)、村田和哉(29)の選手を兼ねる3人が加わり、戦力の柱がそろったと山本はみている。
 ただ、監督、コーチが経験を生かし、若手の能力を高めるのが前提だ。3人は指導者の道を初めて歩む。岩村は「チームを一からつくるのは大変だが、応援してくれる県民の期待に応えるため力を尽くす」と育成計画を練る。

 選手の多くはホープスで力を付けて活躍し、セ・リーグやパ・リーグのNPB球団に入る目標を持つ。NPBのスカウトはBCリーグの試合のほとんどに姿を見せる。実際に毎年、BCリーグから指導者を含め10人近くがNPBの球団入りを果たす。
 ホープスは野球の指導と同じように選手の人間教育を重視する。平凡な内野ゴロでも一塁に全力で走る。ボールがグラウンドにあったら片付ける。用具を大切に扱う...。「野球人として当たり前の行動が当たり前にできる選手でなければプレーの上達は望めない」。山本は確信している。
 指導者はグラウンド外でも身だしなみや礼儀、生活態度について選手に厳しく口を出す。全選手に被災者支援や子どもの通学時の見守りなどの地域貢献活動を義務付けた。人として磨きをかける。

 選手との契約期間は3月から9月で、期間外は県内の協賛企業などで働く。東日本大震災の復興事業などで県内は各業界で働き手が足りない。選手は一助になる心構えをしている。
 地域とのつながりは選手の地元を愛する心を育てる。ファンの輪の広がりにもつながっていく。他球団の選手の多くは引退後も請われて地元企業に残る。球団社長の扇谷富幸(35)は他球団より責任が重いと考える。「被災した県内で地域を支える人を育てなければならない。それも球団の大きな使命だ」(文中敬称略)

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