東日本大震災

「福島をつくる-未来への挑戦」アーカイブ

  • Check

福島をつくる(23) 第2部 スポーツの力 福島ファイヤーボンズ(バスケットボール)

ホームゲームでの勝利を喜ぶファンと選手。プレーオフ進出に向け、ファンの期待が高まっている

<安心して子ども運動>
 男子プロバスケットボール「TKbjリーグ」に今季から参戦している福島ファイヤーボンズ。15日に長野県で行われたリーグ戦で、7位の信州に105-102で競り勝った。シーズン52試合のうち34試合を終え、12勝22敗で東カンファレンス9位。「一戦一戦、成長している。県民の応援も盛り上がってきた」。チーム運営会社「福島スポーツエンタテインメント」社長の宮田英治(43)は、勝率で勝る8位の群馬と勝ち数で並び、8位以内のプレーオフ進出に手応えをつかんだ。

 宮田は田村高、郡山情報ビジネス専門学校を卒業し、平成8年に郡山市内で専門学校を運営するFSGカレッジリーグに入社した。23年3月、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きる。「放射線を心配して運動不足になり、県内の子どもの肥満率が上がっている」とのニュースに心を痛めた。
 「屋内で安心して運動できる機会を子どもに提供できないか」。競技人口が多いバスケットボールが浮かんだ。24年12月からbjリーグ公認スクールの開校準備を始め、翌年6月、郡山市に開校した。
 この間、リーグ関係者と話す中で「プロチームをつくれば復興を目指す福島の力になる」と考え、宮田を中心にFSGカレッジリーグがチーム設立に動く。
 25年5月に運営会社を設立した。リーグ参入が承認されると、宮田は運営会社への出資者やスポンサー集めに奔走した。
 当初、企業関係者からは「復興も道半ばなのにスポーツを応援する余裕はない」と言われ続けた。宮田はプロチームをつくる意義を粘り強く説いて歩き、理解者を増やした。

 「想定外」は続いた。開幕直前の26年9月、外国人選手2人がリーグのメディカルチェックを通過できず、契約は破談になる。ベンチ登録選手は10人以上というリーグ規定を満たせるのか-。緊張が走った。国内外で選手獲得に動き、何とか選手11人の契約にこぎ着けた。ホームゲームの会場設営や運営ボランティアの確保、試合の告知、入場券販売...。その都度悩み、手探りのまま10月の開幕を迎えた。
 宮田は初勝利を挙げた第二戦の終了後、歓喜に沸く大観衆の前で人目をはばからず涙を落とした。「チームをつくって本当に良かった。もっと福島を盛り上げる」。開幕から4カ月余り。会場で熱狂的な声援を送るファンを目にするたび、思いを強くしている。(文中敬称略)

カテゴリー:福島をつくる-未来への挑戦

「福島をつくる-未来への挑戦」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧