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福島をつくる(24) 第2部 スポーツの力 福島ファイヤーボンズ(バスケットボール)

スクールで指導するボンズの新里(中央)。子どもたちにとってプロ選手とプレーできる貴重な機会となっている

<郷土愛育む「一体感」>
 「ナイスシュート! いいぞ、その調子だ」。郡山総合体育館で10日夜に開かれたバスケットボールスクールで、男子プロバスケットボールチーム・福島ファイヤーボンズの新里智将(29)が声を掛ける。児童らは目を輝かせてリングへボールを放った。
 スクールは平成25年6月に開校し、現在は白河、郡山、須賀川、二本松、会津若松、福島の6市・7会場に小中学生約150人が登録している。東京電力福島第一原発事故の影響を心配し、児童らは思い切り運動できない時期があった。スクールではbjリーグ公認コーチやボンズの選手が技術や心構えを教える。新里は将来、プロ選手を目指す子どもが育つよう願う。苦しみを知る子どもに夢を見る。「福島を盛り上げ続けてほしい」

 ボンズは底辺を広げて競技人口を増やす一方、プロの試合に定期的に足を運ぶ「観戦人口」の拡大を進める。観戦の最大の魅力は選手と観客の「一体感」だ。開放的な屋外の競技と異なり、会場内は場内放送と音楽、声援、選手の掛け声が重なり合う。家族で見ればコミュニケーションが育まれる。本県チームに声援を送れば郷土愛が膨らむ。
 8日現在、ホームゲーム(18試合)の1試合平均入場者数は1294人。「リーグ1年目としてはまずまず」とチーム関係者は手応えをつかんでいる。リーグ戦の途中だが、1試合の入場者数の目標を1500人に増やす。ホームゲームでは入場者数、観客席の盛り上がりが試合の流れを変える。東西の各カンファレンスの上位8チームが出場できるプレーオフは5月に行われる。ボンズは東カンファレンス9位と、あと一歩で出場できる順位につけている。プレーオフ進出はチームの注目度を高め、県民の元気につながると選手は信じている。

 「同志」。ボンズは今季のチームスローガンを掲げた。福島のため、選手全員とファンが心1つに戦う―の意味が込められている。
 青森県出身で主将の野上淳史(28)は東日本大震災発生後、岩手、宮城、福島と被災地のチームに所属した。「県民の希望の光になるプレーをする」とプレーオフ進出が懸かる後半戦に向け、気持ちを引き締める。
 ヘッドコーチの藤田弘輝(28)は、復興への長い道のりを歩む県民に、試行錯誤の中で初のリーグ戦に挑む選手を重ねる。「最後まで諦めない」(文中敬称略)

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