東日本大震災

「復興へ続く道3・1常磐自動車道」アーカイブ

  • Check

復興へ続く道(3)時間短縮で活性化 企業進出加速に期待 【物流】

タニコー福島小高工場から出荷される厨房機器。常磐道全線開通で関東方面への輸送時間が短縮される

 業務用厨房(ちゅうぼう)機器メーカー「タニコー」福島小高工場は、南相馬市小高区の東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示解除準備区域で操業を続けている。原発事故後、一時生産を休止したが、「ものづくりの拠点を決して途絶えさせない」とラインを動かした。
 「常磐自動車道が全線開通すれば、業務の効率が上がる」。大型トラックに次々と積み込まれ、関東方面に出荷される製品の山を見詰め、鈴木務副工場長(49)は笑顔を見せた。
 福島小高工場で生産される流し台など厨房機器の半数は、千葉県柏市にある同社の流通センターに運び込まれる。現在、6号国道を経由し常磐富岡インターチェンジ(IC)から常磐道に乗っているが、3月1日からは常磐富岡の北にある浪江ICを利用できる。30~40分程度、輸送時間が短くなるという。
 出荷が集中し、トラックへの製品搬入に時間を要した場合でも積み荷の到着遅れを回避できる。同社は東京に本社を置くほか、いわき市にも工場を構えている。社内間の出張に伴う移動や工場間の物資輸送の時間も短縮される。社内からは「仕事に余裕ができるのはありがたい」との声が上がっている。

 県企業立地課によると、浜通りへの企業進出数は、東日本大震災前を上回って推移している。工場の新・増設数は震災前年の平成22年に14件だったが、23年18件、24年26件、25年33件、26年21件に上った。同課の担当者は、震災後に常磐道の未開通区間が段階的に解消されてきたことも立地が増えた要因の1つになったとみている。
 県は関東圏、関西圏でそれぞれ開催する企業立地セミナーのほか個別の企業訪問で、輸送時間の短縮など常磐道全線開通の効果をアピールし、工場立地を加速させたい考えだ。

 常磐道の全線開通を受け、原発事故により全町避難の続く浪江町は、町内で業務を再開した事業者を支援する独自の補助制度創設を検討する。
 24日現在、15の事業者が町内で仕事を始めた。浜通りの物流が活発になれば、古里での操業を検討する経営者は増えるとみられる。
 同町北幾世橋で建材製造の「日化ボード」を営む朝田英信社長(65)は「町の復興には事業者が町内に戻ることが不可欠。全線開通はこれ以上ない後押しになる」と期待を込める。

カテゴリー:復興へ続く道3・1常磐自動車道

「復興へ続く道3・1常磐自動車道」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧