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復興へ続く道(5) 新IC、復興の要 4車線化求める声も 【願い】

大熊町の復興拠点・大川原地区を横切る常磐自動車道。地元は町内へのインターチェンジ設置を要望している

 政府が常磐自動車道常磐富岡―浪江インターチェンジ(IC)間に新たなICを設ける方向で検討に入った背景には、「復興を加速するため社会基盤を整えてほしい」とする大熊、双葉両町からの強い要望がある。町内にICができれば交通の利便性が向上し、将来の住民帰還に弾みがつくと期待される。
 大熊町は、平成30年代前半にICの供用が始まり、復興拠点を整備する同町大川原地区への住民帰還を開始するという青写真を描く。
 町はICの設置場所として、町北部の県道いわき浪江線近くを想定している。付近に新たな居住ゾーンを形成する構想もある。石田仁副町長(60)は「インターは地域再生に向け必要な施設。今後も設置を国に働き掛けていきたい」と力を込める。
 一方、双葉町は設置場所として町北部の県道井出手長塚線が交差する地点を候補に挙げている。井出手長塚線を改修するなどして沿岸部までと結ぶ幹線道路を整備し、沿道に商業施設などを誘致したい考えだ。半沢浩司副町長(46)は「インターが設置されれば、町の復興が進み、町民への帰還意欲も高まる」と訴えている。

 浜通りの市町村から、暫定2車線となっているいわき中央IC以北の早期の全線4車線化を求める声が上がっている。
 太田昭宏国土交通相は18日の参院本会議の代表質問で「全線開通後の利用状況や中間貯蔵施設への輸送を考慮し、対策をしっかり検討していく」と述べ、4車線化に前向きな姿勢を示した。
 全線開通によって常磐道の交通量が増加すると予想される。片側1車線のままでは、交通事故が起きた際、上下線とも通行止めにせざるを得ないケースも想定され、国の今後の対応に注目が集まる。

 食品関係など物流業界の一部には、放射線による風評を懸念して常磐道など浜通りの道路の利用を避ける動きもあるという。
 大熊-浪江間の帰還困難区域を通るためだ。政府の原子力災害現地対策本部が昨年10月に実施した調査で、広野-南相馬IC間の空間放射線量は平均毎時0.71マイクロシーベルトだった。同本部は「健康に影響のない数値」としている。
 いわき市のトラック業者は「常磐道を通るかどうかは、荷主の意向を聞いて判断する」と明かす一方、モニタリング調査結果を全国に発信し安全をアピールしてほしいと求めている。

=おわり=

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