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【3.11から4年】被災地ルポ 住民の健康守る 一軒一軒訪ね孤立防ぐ 仮設見守り

仮設住宅に入居するお年寄りに体調や困り 事を聞く遠藤さん(左)と増戸さん(右)

 郡山市富田町の県農業試験場跡地に200戸余りの仮設住宅が並ぶ。入居するのは主に富岡町から避難している人だ。春の近づきを感じさせる柔らかな日差しの中、富岡町社会福祉協議会の生活支援相談員、遠藤久仁子さん(64)と増戸恵美子さん(52)が高齢者の家を訪ね歩く。

 「いつもより遅かったない。今日は来ないのかなって思ってたよ。何かあったのかい」。住民の女性が遠藤さんと増戸さんを待ちかねたように玄関から顔を出す。

 「心配してた? ごめんね。午前中にサロンがあったから、遅くなっちゃったの。体調はどう? 変わりはないですか」。2人は笑顔で応じる。

 一人暮らしや夫婦のみで暮らすお年寄りの部屋を毎日、巡回する。玄関先での会話を通して体調の良しあしや生活の変化を捉える。巡回先は約210世帯のうち30世帯ほど。このほか、体調を崩している住民がいると聞けば、訪問して様子を把握する。必要に応じて保健師らと連携し、適切に対処する。長引く避難生活による持病の悪化や突発的な病気、引きこもりを防ぐためだ。

 避難生活は間もなく4年になる。仮設住宅の近くには医療機関や商業施設、飲食店が多くあり、生活するには便利だ。しかし、住み慣れた古里を追われた住民の悔しさや悲しみは晴れない。年を重ねることによる体力の衰えや新たな病気の発症が心配される。遠藤さんと増戸さんは「生活環境ががらりと変わったことによるストレスは相当大きい」と明かす。

 巡回を受けている玉井トヨさん(93)は「遠藤さんと増戸さんが来てくれるのをいつも待っているの。お話をするのがとっても楽しいのよ」と穏やかな表情を見せる。避難生活はどれだけ続くか先が見えない。古里から遠く離れた地で暮らす住民の心は望郷と諦めのはざまで揺れる。孤立したり体調を悪化させたりする高齢者らを、見守り活動が支えている。(本社社会部・渡辺 浩)

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