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【3.11から4年】除染目標の転換で混乱「空間線量からの推計値」「個人線量計の実測値」住民と国 考えに隔たり

 政府は平成23年夏、除染の長期的な目標として「年間1ミリシーベルト以下」と定めた。具体的な期限は設けない将来的な目標だったが、県内では「1ミリシーベルト以下にならないと安心できない」という意識が浸透している。
 
 一方で、政府は、年間20ミリシーベルトを避難指示解除の条件として維持した。20ミリシーベルトを下回れば帰還を推進しようとする姿勢に疑念が深まった。
 
 不安を解消しようと政府は平成25年3月、原子力規制委員会に、被ばく低減策の検討を要請。規制委は「個人の生活状況によって被ばく線量は異なる」(田中俊一委員長=福島市出身)と、住民一人一人が線量計を持って個人の線量を測定し、健康管理に役立てるべきだとする提言を同11月にまとめた。
 
 これまで議論されてきた被ばく線量は「空間線量からの推計値」。年間1ミリシーベルトから換算すると、毎時0・23マイクロシーベルトになる。しかし、「個人線量計による実測値はもっと低い」との考えがあり、環境省は昨年夏に空間線量から個人被ばく線量を重視するよう市町村などに提言をした。ただ、空間線量下の目標達成を求める住民の声も根強く、反発も多い状況だ。
 除染は巨額の費用が掛かるが、効果は限定的だ。年間1ミリシーベルト以下にならない地域も多い。政府内には「原発事故発生後の混乱の中、1ミリシーベルトまで必ず下げるという誤解が定着してしまった」との声もある。
 
 避難指示の解除に向けた政府と避難区域を抱える市町村の協議でも、空間線量の値から除染の徹底を求める住民と、政府との間の温度差が浮き彫りとなっている。
 
■除染特別地域の11市町村 全て計画策定
 
 避難区域の10市町村と昨年4月に避難指示解除準備区域が解除された田村市は国が直轄で除染を行う「除染特別地域」に指定されている。昨年7月に、除染計画の策定が遅れていた双葉町の実施計画ができ、全ての計画が出そろった。
 
 環境省によると、1月末時点で、11市町村全ての拠点施設などの先行除染は終了している。本格除染は田村、楢葉、川内、大熊が終了、飯舘、南相馬、葛尾、川俣、浪江、富岡が着手済み、双葉町が準備中となっている。

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