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【3.11から4年】「中間貯蔵施設」 13日搬入開始 迫る

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、内堀雅雄知事は2月24日に廃棄物の搬入受け入れを表明、翌25日に政府に伝えた。これを受け、環境省が3月13日の搬入開始を表明するなど、施設整備に向け、大きく前進した。中間貯蔵施設は除染の進展につながるなど、本県復興に欠かせない。ただ、2000人余りともされる地権者との用地交渉の多くは、これからだ。「県外最終処分は実現できるのか」「先祖代々の土地を手放したくない」。地権者は複雑な思いを抱える。
 
■福島復興の"出発点" 9市町村から先行輸送
 13日搬入開始の決定に伴い、同省は平成57年3月までの県外最終処分の完了の責務を負った。しかし、最終処分場の候補地の選定は始まっていない。中間貯蔵施設の用地確保の見通しや施設建設の日程などは不透明なままだ。 
 
  望月義夫環境相は13日搬入開始の理由を「中間貯蔵施設は日本全体の復興のためにも一日も早く稼働させたい。ただ、3月11日を静かに過ごしたいという地元の思いを重く受け止めた」としている。また、地権者が墓参りする彼岸の間にも配慮し、3月18日から24日までの7日間は廃棄物の搬入と一時保管場の整備工事などを停止する方針も示している。 
 
  搬入開始後の最初の約1年間はパイロット(試験)輸送を行う。双葉郡に田村市を加えた9市町村から先行して輸送した後、除染計画を策定している計34市町村からそれぞれ約1000立方メートルずつを一時保管場に搬入する。その後の本格搬入に向けては、同省が各仮置き場からの搬出スケジュールや施設建設の工程表などを早急に示す必要がある。 
 
  搬入開始日の決定を受け、建設予定地の大熊町の渡辺利綱町長は「地元の意向を受け入れてもらった。安全に作業を進めてほしい」、双葉町の伊沢史朗町長は「国がある程度の配慮をしてくれた。地域の人の思いをくみ取った丁寧な対応をしてもらいたい」と語った。 
 
  内堀知事は「両町の思いを受け止め、国が判断した。輸送の実施に当たっては安全・安心の確保を最優先に取り組んでほしい」との談話を発表した。県は搬入受け入れに際して、地権者への丁寧な説明など5項目を政府に求めた。 
 
  同省は今年1月中の搬入開始を目指してきたが、県、大熊、双葉両町、建設予定地の地権者との交渉が難航して断念。東日本大震災から4年となる3月11日を新たな目標としていた。 
 
  中間貯蔵施設への搬入開始から30年以内の県外での最終処分完了は昨年11月19日に参院本会議で可決、成立した日本環境安全事業株式会社(JESCO)法の改正案(中間貯蔵施設関連法案)で定めている。 
 
 【県が搬入受け入れに当たって政府に要請した5項目】
(1)地権者に対して分かりやすく丁寧で寄り添った対応をする。
(2)30年以内の県外最終処分に向けて万全の措置を講じる。
(3)中間貯蔵施設の交付金の運用に当たって、県と市町村が自主的、主体的に使えるよう対応する。原子力災害からの復興に関わる財政措置は引き続き国と協議していく。
(4)道路交通対策やルートの維持管理、積込場からの搬入ルートの生活環境の除染などは県と市町村の意向を踏まえ国がしっかり取り組む。
(5)輸送の実施に当たっては安全確保を最優先する。県全体の搬入の見通しを早急に示す。 
 
 【中間貯蔵施設への搬入例】
○県内市町村の仮置き場に保管されている除染に伴う汚染土壌などの廃棄物
○1キロ当たり10万ベクレルを超える放射性セシウム濃度の焼却灰など
※1キロ当たり10万ベクレル以下の廃棄物は富岡町の民間管理型処分場「フクシマエコテッククリーンセンター」で埋め立て処分 
 
 ※中間貯蔵施設
 原発事故に伴う除染廃棄物を最長30年間保管するため、環境省が双葉、大熊両町の福島第一原発周辺に建設する施設。面積は約16平方キロで約3千万トンの貯蔵が可能。貯蔵や減容化のための施設の他、空間放射線量や地下水のモニタリング、情報公開、効果的な減容化技術の研究開発・評価のための施設も併設する予定となっている。

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