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【3.11から4年】被災地ルポ 漁業者の努力 安全証明 水産業

試験操業で水揚げされた魚を選別する漁協関係者=小名浜魚市場

 サヨリ、カナガシラ、ニクモチ、マダラ...。いわき市の小名浜魚市場に、試験操業で水揚げされた魚が並ぶ。いわき市漁協と小名浜機船底曳網漁協の職員が、魚の選別、計量の作業に励む。

 市場は活気にあふれる。魚の選別・計量後、プレハブ造りのいわき地区漁業放射能検査所で、モニタリング検査を行う。国の食品安全基準値の一キロ当たり100ベクレルより厳しい自主基準値の50ベクレルを下回る魚を、仲買業者の組合を通し、市場に出荷している。

 4年前の原発事故で、県内の沿岸漁業は休業を余儀なくされた。各漁協は国、県、市と協力し、漁獲した魚の検査態勢の整備や市場への流通方法を整えてきた。安全性を確認しながら操業できる海域や漁法を少しずつ拡大させ、出荷できる魚種は58種にまで増えた。

 漁業者の気持ちを逆なでする事態が起きている。先月24日、第一原発で、高濃度の放射性物質を含む雨水が、排水路を通じて港湾外の海に流出していたことが明らかになった。東電は昨年4月以降、把握しながら公表していなかった。

 いわき市漁協の新妻隆販売課長(55)は「われわれは魚の流通を透明化して、消費者に安心してもらおうと努力している。それに対し、東電は常に何かを隠していると思わざるを得ない」と漁業者の気持ちを代弁する。

 厳しい漁業界だが、追い風もある。26日に完成する新しい小名浜魚市場は、いわき市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」の向かい側にあり、市場前の岸壁は水深9メートル。漁港の水深としては全国有数の深さとなる。大型冷凍船が接岸できる利点がある。市場完成に合わせ、県漁連の冷凍冷蔵施設もできる。

 通常操業に向け、乗り越えるべき壁は険しいが、漁業者の努力が実を結び、本県の漁業界に再び活気が戻る日が来ることを願う。(本社報道部・渡部 純)

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