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【3.11から4年】被災地ルポ 川内に自然公園を 秋元通さん 森林整備に汗 避難指示 解除地域

避難指示が解除された川内村毛戸地区で、雑木の伐採作業に汗を流す秋元さん

 川内村東部の毛戸地区は、東京電力福島第一原発から20キロ圏内に位置する。昨年10月に避難指示解除準備区域が解除された。

 浜通りとはいえ、標高は高い。2月半ばの森林には30センチほどの雪が残る。この地区で生まれ育ち、帰還した秋元通さん(60)は、所有する森林を自然公園に整備するため、同地区の小林幹夫さん(76)と一緒に雑木の伐採に汗を流す。「川内の自然の素晴らしさを多くの人に体験してもらえるようにしたい」と夢を語る。

 秋元さんは「帰還に向けた準備宿泊」期間中の昨年7月から、妻一子さん(57)と自宅での生活を再開した。村出身の一子さんは「まき割りや土をいじるだけでも、生きてるって実感がする」と笑う。

 ただ、同地区の33世帯のうち、これまでに帰還したのは、秋元さん夫妻を含め、10世帯にとどまる。半数以上の世帯が村内の仮設住宅をはじめ、村外のアパートなどで避難生活を続ける。秋元さんは「特に子どもがいる若い世代は、放射線に対して敏感にならざるを得ないのでは」と、故郷に戻りたくても戻れない同じ地区の住民の心中をおもんぱかる。

 県が公表する環境放射線量測定結果によると、地区内にある毛戸集会所は毎時0・09マイクロシーベルト前後。政府が当初、除染の長期目標とした同0・23マイクロシーベルトの半分以下だ。それでも、住民の放射線に対する不安は拭えず、帰還に結び付いていない。

 隣接する富岡町の復興の遅れも、村民の帰還を妨げる一つの要因にもなっている。同地区から、富岡町夜の森地区の中心部まで車で約20分。同地区には、大手スーパーやJR常磐線夜ノ森駅などがあり、震災前は村民生活に不可欠な地区だった。だが、同地区の大部分は、放射線量が高く「帰還困難区域」に設定され、機能回復の見通しは立っていない。

 村が震災前の姿を取り戻すには、放射線量の低減に加え、町村を超えた生活基盤の整備という視点が欠かせない。(本社報道部・神野 誠)

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