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【3.11から4年】「農林漁業」 魚介類 事故後初1%切る

 海産魚介類の放射性物質検査で、食品衛生法の基準値を超えた割合が平成26年は平均0・9%で、原発事故発生後初めて1%を切った。検査を始めた23年は約4割が基準値を超えていた。

 県は基準値を超えた海産魚介類の流通防止と消費者不安の解消を目的に、事故発生後の23年4月からモニタリング検査を始めた。県水産試験場の調査船と漁業者の漁船などで魚介類を採取し、毎週200検体近くを検査している。

 年ごとの検査結果は【表右】の通り。セシウムの基準値超過率は23年の39・8%を最高値に、24年16・5%、25年3・7%と着実に減少している。26年は8722検体のうち0・9%の75検体にとどまった。

 県水産試験場によると、福島第一原発から流出した汚染水が徐々に薄まったことが魚介類のセシウム濃度が低下した主因。原発事故発生後に生まれた魚介類、コウナゴやシラスなどの世代交代が早い魚種からはほとんど検出されなくなった。ただ、汚染水が流れた浅い海域に生息するアイナメやメバル、カレイなどの底魚の一部には影響が残り、現在も100ベクレルを超える魚種が散見されている。

 国から出荷制限が指示されている32魚種、出荷制限が解除された12魚種は【表左】の通り。原発事故前に主力だったヒラメなどはいまだに解除されていない。一方、27年に入り、マダラ、ホシザメ、ムシガレイの出荷制限が相次いで解除された。

 県内漁協が取り組む試験操業の対象魚種は1月28日現在、食品衛生法上の基準値を超えていないマダイなどを含め58種にまで回復している。県漁連は同法よりも厳しい自主基準一キロ当たり50ベクレルを下回ったケースのみ出荷しているが、風評などの影響で売り上げは伸び悩んでいる。


■漁業資源 分布に変化

 沿岸漁業の操業自粛が4年近く続き、漁業資源の分布動向に変化が生じている。相馬、いわき両地区の試験操業(底引き網漁)の漁獲量が、震災前の漁期(9月〜翌年6月)平均の9705トンに対し、平成25年は計711トンと7・3%にとどまっていることが主な要因だ。

 県水産試験場によると、操業1時間当たりの漁獲量を示す値「CPUE」で、震災前と25年を比較すると、相馬地区の底引き網漁で約2・5倍、いわき地区の底引き網漁で約2・4倍に増えた。

 相馬、いわき両地区の魚種組成はマダラのCPUEの増加が著しく、相馬地区は震災前の約10・3倍、いわき地区は約5・0倍に急増している。沖合のババガレイ、ミギガレイ、ヤナギムシガレイも3〜8倍に増えている。

 一方、ズワイガニの漁獲割合は震災前から減少傾向にある。マダラの胃袋からズワイガニの殻が発見されており、同試験場は「数が増えたマダラがズワイガニを捕食し、数が減っている可能性がある」とみている。

 県水産課は沿岸漁業の再開を視野に「増加した資源を持続的に利用できるよう資源状態を詳細に調査していく」としている。

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