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【3.11から4年】「農林漁業」放射性物質 基準値超は激減 26年産新米初の超過ゼロ


■生産者 苦しみ今も

 東京電力福島第一原発事故に伴い県内に拡散した放射性物質は今も本県の農林漁業を苦しめている。農作物、海産物ともに食品衛生法上の基準値一キロ当たり100ベクレルを超えるケースは激減しているが、市場には風評が根強く残る。キノコ栽培などを手掛ける林業も出荷制限の解除には高いハードルが立ちふさがっている。一方、26年産米全てが基準値を下回るなど明るい兆しも出ている。農林漁業従事者は東日本大震災と原発事故発生前の姿を取り戻そうと努力を続けている。


 原発事故に伴うコメの全量全袋放射性物質検査で、平成26年12月末までに測定した26年産米の約1075万点全てが食品衛生法の基準値(1キロ当たり放射性セシウム100ベクレル)を下回った。一般に新米とされる生産年の12月末までの検査で基準値超過ゼロを達成したのは初めてだった。

 県はセシウムの自然減衰に加え、JAなどと連携しイネが放射性セシウムを吸い上げないよう、塩化カリ肥料などの散布や土壌の深耕・反転耕などの吸収抑制対策を進めてきたことが成果を挙げているとみている。県はカリ肥料などの購入費の全額補助を続けており、26年度は水田6万8千ヘクタール分として約16億1千万円を投じている。

 国や県などの調査研究で、土壌中のカリウムがイネのセシウム吸収を抑制することが分かっている。セシウムのイネへの移行を研究している東京大大学院の根本圭介教授は農家や行政の取り組みを評価する一方で、「土壌中のカリウムは、毎年補給しないと徐々に濃度が低下していき、再びセシウムがイネに吸収される事態にもなりかねない」と長期的なカリウム散布の必要性を強調している。

■農地の石 新たな課題

 原発事故により放射性物質が降り注いだ県内の農地の放射性物質対策が効果を挙げている一方で、営農再開に向けた新たな課題もある。農地の表土を剥ぎ取る国の直轄除染が終了した飯舘村の多くの農地から比較的大きな石が相次いで見つかり、耕運できない状態になっている。

 削った分の土を新たに入れる必要があるが、除染業者が石と土砂の分別をせずに新たな土砂を敷いたためだ。大きいものでは直径20センチほどある。畑を耕そうとしてトラクターの刃が砕けたという報告もあった。村は今春の営農再開に向けた準備への影響が懸念されるため、環境省に石の撤去を求めている。

 土壌1キロ当たり5000ベクレルを超える農地を対象に行われている表土の剥ぎ取りは、国が直轄で除染している。

 県内の対象農地約6200ヘクタールのうち、昨年10月末現在、約3割に当たる約1840ヘクタールで終了した。葛尾村でも昨年夏ごろから除染を終えた農地から石が見つかっているという。

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