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【連載・動きだした中間貯蔵施設】(中)安全、透明性求められる

除染廃棄物の入ったフレコンバッグを積み一時保管場に到着したトラック=13日午後、大熊町

 大熊町の南平仮置き場では14日も、除染廃棄物が初めて搬出された前日に続きトラックへの積み込み作業が行われた。この日は10トントラック2台を使い、計36立方メートルの廃棄物を同町の中間貯蔵施設に設けられた一時保管場に運び出した。

 環境省の西村政洋放射性物質汚染対処技術統括官付参事官室企画官は2日間の作業を振り返り、「初めての作業なので手順を確認するため慎重に実施している。今のところは安全面で問題は生じていない」と語る。

 現在は安全対策などの課題を検証するパイロット(試験)搬送の段階で1日の輸送量は少ない。しかし、放射性物質を含む廃棄物を前例のない規模で搬送する作業に対する県民の不安は根強く、同省関係者らは細心の注意を払う。
 
   ◇  ◇
 
 輸送時の安全や中間貯蔵施設周辺の環境を保全するため、同省と県、大熊、双葉両町は安全確保協定を結んでいる。さらに同省は輸送実施計画に事故対策などを盛り込んだ。

 試験搬送でも協定や実施計画に基づき、安全確保に努めている。

 大熊町の仮置き場を出たトラックは中間貯蔵施設まで約14・5キロの道のりを走行するが、途中で6号国道を経由する。国道の交差点など計7カ所に誘導員を配置した。交通事故や渋滞を防止するためだ。輸送中の事故は、積載している除染廃棄物を散乱させる恐れがある。13日に報道陣に公開された初の搬入作業でも、各地で誘導員の立つ姿や注意を喚起する看板などが見られた。

 トラックの位置は衛星利用測位システム(GPS)で常時確認している。いわき市の中間貯蔵管理センターで情報を集中管理し、事故や廃棄物の散乱などが起きた場合は即時対応できる態勢を取っている。

 試験輸送を終え、1年後に本格輸送に移ると、同省の試算では年間700万立方メートルを輸送するようになる。そう仮定すると、県内全域で1日当たり10トンダンプ1300台が走行する。県幹部は「安全対策の重要性はさらに高まる。警察など関係機関と連携し、万全の態勢にしたい」と話す。
 
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 安全性の問題は交通に限ったことではない。施設での廃棄物保管で懸念されるのが、放射性物質を含んだ水などの地下水への浸透だ。

 安全確保協定では、地下水モニタリングで「異常」が確認された場合に同省が速やかに県と大熊、双葉両町に連絡すると定めた。しかし、廃棄物搬入が始まっても基準値が決まらず、「異常」の定義があいまいな状態が続く。関係者によると、モニタリングの基準値の設定をめぐり、同省と県の間で激しい綱引きが行われているもようだ。

 建設予定地の地権者でつくる30年中間貯蔵施設地権者会の門馬幸治会長は「不安解消のため、国と県などの議論の段階から水面下ではなく住民に分かりやすく説明しながら進めてほしい」と透明性を求めている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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