東日本大震災

「福島をつくる-未来への挑戦」アーカイブ

  • Check

福島をつくる(35) 第3部 DCで魅力発信 県北4温泉地若旦那企画 (飯坂、高湯、土湯、岳)

土湯温泉の山水荘で観光客を迎える渡辺(左)

〈力合わせ新しい試み〉
 「やってやろう」。メールや交流サイトに意気込みが書き込まれる。福島市の飯坂、高湯、土湯と二本松市の岳。温泉地で旅館業に携わる若手男性が地域を売り込むため、連絡を取り合う。4月1日に始まる「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」まで残りわずか。文字で交わす会話も熱を帯びる。
 「若旦那」が結束したきっかけは、昨年夏に福島学院大の学生が土湯温泉の若手男性を載せて発刊した冊子だった。笑いを誘う若旦那の写真を多く載せ、旅館を紹介した。「冊子を見ました」「面白い」。電話が寄せられた。個人だけでなく観光協会、行政、旅行代理店などからも問い合わせが相次ぐ。宿泊客の数も伸び、予想以上の反響があった。

 各温泉地の「ひと」を売りにすれば注目度がさらに増すのではないか-。渡辺利生(りお)(26)=土湯温泉、山水荘=は東日本大震災から3年が過ぎても、東京電力福島第一原発事故の風評などで観光客が戻らない現状を変える好機と感じた。ふくしまDCで訪れる人にも呼び掛ければ効果が高まる。震災後は特に首都圏からの客足が遠のいていた。〈どうすれば固定客を増やせるか〉。各旅館が同じ悩みを抱えていた。
 飯坂、高湯、岳の温泉地の若手経営者らとは親交があった。渡辺は各観光協会にも協力を呼び掛け、昨年10月、「若旦那プロジェクト実行委員会」を結成する。今年1月から本格的に事業計画を練った。仕事の合間を縫い、週に1回は市役所や飲食店などで意見を交わした。電話やメール、フェイスブックなどでも連絡を取り合った。

 目指すのは女性客の獲得だ。4月から6月のふくしまDC期間中、福島市の中合福島店に「若旦那カフェ」を設け、4温泉地をPRする。実行委の若旦那が日替わりで常駐し、来場者と直接語り合う。福島市産のリンゴを使ったスイーツや飲み物を提供し、温泉街の特産品を集めたコーナー、若旦那の演奏など、温泉地に足を延ばしたくなる企画を続ける。
 渡辺は「震災を経験し、それぞれが大変な時期を過ごしたからこそ連携が生まれた。新しい福島をつくっていくのは若い世代の役目」と温泉地の未来を仲間と担う覚悟を固めている。(文中敬称略)

カテゴリー:福島をつくる-未来への挑戦

問い合わせ=飯坂温泉観光協会 電話024(542)4241、高湯温泉観光協会 電話024(591)1125、土湯温泉観光協会 電話024(595)2217、岳温泉観光協会 電話0243(24)2310

「福島をつくる-未来への挑戦」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧