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福島をつくる(36) 第3部 DCで魅力発信 湯の華会(いわき湯本温泉)

企画を話し合うおかみら=いわき市、いわき湯本温泉

〈おかみの感性で演出〉
 日本三古泉として知られる全国有数の名湯・いわき湯本温泉。旅館の女性が知恵を絞る。「縁結び効果がある神社」、「映画『超高速!参勤交代』が生まれた街」...。

 おかみらでつくる「湯の華会」は2月10日、初めて「作戦会議」を開いた。温泉街の魅力を洗い出す。
 共同企画を一から考えるのは初めての経験だった。住み慣れたまちの魅力を再発見する難しさ。「地域の顔として活動を続けてきた。わたしたちが街を変える」。思いは一緒だった。出された考えは120を数えた。

 湯の華会は約20年前、市内や他県から嫁いだおかみの交流の場として設立した。会長を務める岩惣の大場ますみ(60)も長く参加している。本来は「競争相手」だが、同業種だからこそ理解できる喜びや悩みがある。
 温泉客の満足度を高めようと温泉保養士の資格を取得したり、聴覚障害者のために手話に挑戦したりした。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が温泉街に暗い影を落としてきた。一般客の利用が伸び悩み、復旧・復興に不可欠な作業員の宿舎の確保にも頭を悩ませた。宿泊者を含めた観光客の入り込みは震災前の6割から7割程度にとどまったまま。おかみは作戦に再起を懸けた。スパリゾートハワイアンズや市の観光PRに携わった観光プロデューサーの渡部祐介(41)を招き、助言を受けた。

 いわき市は5月の首脳級国際会議「いわき太平洋・島サミット2015」、来年夏に15歳以下の野球選手が各国から集うU-15ワールドカップなど大規模な行事を控える。今月14日には上野駅が終着だったJR常磐、東北、高崎の3線と東海道線を結ぶ「上野東京ライン」が開業し利便性が高まるなど追い風が続く。大場は「一歩を踏み出さなければ何も変わらない」と自らを奮い立たせる。
 24日、おかみらは提案した企画を10以下まで絞り込んだ。来訪者に湯本温泉が印象に残る演出にする。4月に始まる大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」期間中に複数を試み、DC終了後も続けていく。
 「草の根のように温泉地を盛り上げ、たくさんの観光客を迎えたい。『福島に来て良かった』と思ってもらえる、もてなしをする」。大場は、おかみの感性が歴史ある温泉地を支えると信じている。(文中敬称略)

カテゴリー:福島をつくる-未来への挑戦

問い合わせ=いわき湯本温泉旅館協同組合 電話0246(43)3017

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