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福島をつくる(37) 第3部 DCで魅力発信 喜多方地方の酒蔵巡り 飲み比べ まちを散策

 「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」の喜多方推進委員会で体験部会長を務める五十嵐健展(43)=五十嵐印刷社長=は「DCを機に『また来てもらえる喜多方』を実現する」と準備に余念がない。喜多方市のほまれ酒造に併設した観光土産販売施設で委員と議論を交わす。
 5月23日に「喜多方酒蔵探訪のんびりウォーク」を同市の酒蔵や試飲会場を中心に催す。地酒を味わい、酒蔵やラーメン店の街並みを巡る。道路沿いの商店では「つまみ」が振る舞われる。アスパラガスなど旬の野菜、郷土料理、漬物、みそ汁...。酒と食のおいしさを一度に楽しめる。
 昨年5月にも試みた。約180人が訪れ、会津塗の特製おちょこと、つまみ袋を手に酒蔵などで飲み比べを楽しんだ。参加者は市内に泊まり、飲食店に足を延ばした。後日訪れ、酒を購入した人もいた。五十嵐は「今年はさらに磨きをかける」と意欲を示す。

 観光客が喜多方市内に滞在する時間はわずか4時間前後だ。推進委によると、会津若松市など他の主要観光地に比べて短い。多くの地域資源があるにもかかわらず、観光客が時間をかけて足を延ばさない。街並みを見ながら多くの魅力を知ってもらう方法はないのか-。企画は委員が感じていた過去の取り組みの物足りなさを埋めるように生まれた。
 世界文化遺産に和食が登録されて以降、精練された日本酒の味が海外に広まっている。喜多方市内だけで10の蔵元がある。隣接する西会津町の蔵元を含め、いずれも観光客らに酒造りを象徴する蔵を公開している。「県外や外国から呼び込む条件は整っている。立ち止まっていては何も変わらない」。推進委の若手自営業者らが地酒と古里の食に光を当て、企画を考えた。
 市や県酒造組合喜多方支部が全面的に後押しする。飲食店、宿泊施設、農家などと協力し、各所につまみを提供する場を設ける。

 日本酒を選ぶ女性や若者が増えているのも委員の励みになっている。昨年実施したウオークでは、20~30代の女性の割合が予想より多かった。新たなファンを獲得しようと、女性限定で酒蔵での寄席や日本酒講座など10を超える事業を展開し、好評だった。
 峰の雪酒造場製造部長の佐藤健信(35)は「DCは小さい蔵元の酒を知ってもらう絶好の機会」と語り、付加価値の高い酒造りに徹する覚悟を見せる。
 ほまれ酒造社長の唐橋裕幸(42)は「喜多方の酒の認知度をさらに高め、海外からも必要とされる酒造りをする」とDCを弾みに地域の持つ力をさらに伸ばそうと呼び掛けている。(文中敬称略)

■イベント参加蔵元
(1)笹正宗酒造
(2)ほまれ酒造
(3)峰の雪酒造場
(4)吉の川酒造店
(5)清川商店
(6)大和川酒造店
(7)喜多の華酒造場
(8)小原酒造
(9)夢心酒造
(10)会津錦
(11)栄川酒造
▽問い合わせ=会津喜多方商工会議所 電話0241(24)3131

=第3部「DCで魅力発信」は終わります=

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